みなさん、こんにちは。
今回紹介する問題集は、
学研「やさしい高校数学」です。
河合出版「やさしい理系数学」ではありません。
本当にやさしい方の問題集です。
苦しみの数学から救ってくれるかもしれません。
そんな価値ある一冊です。
どんな本なのか
学研
著者:きさらぎ ひろし
ⅠA ¥1,980
ⅡB ¥2,475
ⅢC ¥2,794
ⅠA 約600ページ、ⅡB 約900ぺージ、ⅢC 約970ページ です。
これは、
基礎問題精講Ⅲ(左)とやさしい高校数学Ⅲ(右)です。
結構厚いです。
やさしい高校数学ⅡBはさらに厚いです。
例題のみが集められている小冊子(掲載問題集)が入っています。
こちらは60ページ程度です。
ということで
一応2冊分冊です。
掲載問題集には
収録問題と略解が載っています。
60ページです。
一方で本体は635ページ(ⅠA新課程バージョン)ほどあります。
分厚いです。
問題数
ⅠA 例題 174題
(新課程バージョン:例題192題)
ⅡB 例題 298題
Ⅲ 例題 221題 ※旧課程バージョン
以上の問題が収録されています。
ⅠAには”中学までのおさらい”ページが70ページほどあります。
中学復習も
結構詳しく載っています。
構成
基本的に「例題」があって、その「解説」という構成です。
解説については
大変丁寧ですし
先生と生徒との会話形式で進んでいきます。
読みやすく
結構なスピードで
読み切ることができます。
2~3週間で1冊終わらせられます。
本気で取り組めば。
重要な知識は
このように「POINT」として整理されています。
解く際の考え方である「コツ」も
1冊に50個ほど掲載されています。
コラムとして
公式の導出過程や基礎として知っておくべき内容が
説明されています。
あまり多くはないですが
ここがかなり役に立ちます。
全体的に例題のレベルは
教科書の問題レベルと同等で
それほど高くはありません。
ただ
このコラムは
難関大学の入試に直接出題されたり
必要な知識となっています。
なぜその公式が導かれるのか、
どんな原理なのかを
知っておくことは
学力アップの秘訣であり
他受験生との差を生み出す一歩です。
例題のレベルはそれほど高くないと書きましたが
基本典型問題として
そこそこのレベルの問題もあつかっています。
共通テストだけの入試で
数学は「しのぐ」という科目であるならば
この本と
予想問題・対策問題演習で
対応可能だと思います。
もちろん
高得点は厳しいですが。
新課程版について
ⅠAとⅡB、ⅢCのすべてが発売されています。
「外れ値」「仮説検定」「期待値」など新課程内容の例題が収録されており、
本書8章は「数学と人間活動」の新範囲となっています。
8章の例題は23題あり、大きく内容を捉えるには十分な問題数だと思います。
使うべき人は誰か
教科書理解に苦しんでいる人
塾では
高校進学後、
数学が心配な生徒にこの本のⅠAをプレゼントしていました。
この本の例題解説は教科書理解を助けてくれます。
定期テストで
「数学が心配」と言っている生徒に
この本を紹介すると
とても気に入ったりすることがあります。
数学に対して苦手な印象を持っている人には
理解しやすく
重宝する本です。
「学校の授業プラス」で利用するとちょうど良いと思います。
同様のレベルの問題集に以下のようなものがあります。
「数学入門問題精講」シリーズ
名作だと思います。
この本は本当に。
高い到達点のための基礎本という感じです。
「初めから始める数学」シリーズ
本当の初学者は
これらの本の方が基本的な内容を扱っており適していると思います。
本書「やさしい高校数学」では
公式導出といった難関大志望者には必要な “礎” が
多くないことはたしかです。
一方で
深く考えず
「定期テストのために公式を使えるようにしよう!」
という人には
合っている問題集だと思います。
自分のレベルに合わせて
好みの本で学習すれば良いですね。
学習方法
数学が苦手な生徒には
教科書サポート教材として渡しています。
数学において
覚えておくべきことは
教科書内容の完全理解と
教科書内の問題解法の完全修得ができていると
共通テストレベルの問題演習に進むことができるということです。
その後は
”一般的”な大学の二次試験・個別試験対策が可能となります。
そして段階的に演習レベルを上げていき
志望大学の過去問演習にて
思考訓練を行うわけです。
数学学習の一歩目である
「教科書」をいかに正確に理解し、修得するかということが重要です。
学校の進度に合わせて
この本を参考書として使っていっても良いですし、
入試まで
時間がないのであれば
この本に集中し
1冊2~3週間程度で仕上げるつもりで
学習することも可能です。
この本の内容レベルで抜けがあってはいけません。
繰り返す必要があるならば
完璧になるまで繰り返しましょう。
同じ著者の演習用教材も販売されています。
やさしい高校数学の準拠問題集という感じです。
–※新課程と旧課程にご注意ください–
現在「おさえておきたい」シリーズは旧課程バージョンのみです。
この著者ですべて完結させたい場合は
やさしい高校数学の次に
これらを使って演習すると
解法を増やすことができます。
到達レベル
例題完全理解&修得で共通テスト対策へ
「やさしい」とついていますし
解説も読みやすく大変丁寧です。
ただ、
扱っている問題は
まあまあのレベルです。
例題によっては
青チャートのコンパス3とか4とかの問題も
ちょっぴりあります。
もちろんほとんどの問題は
基本問題です。
確実に理解し
解法を定着させて
演習に移って行きましょう。
演習は必須です。
本書のみで
共通テストで満足のいく得点をとることは
普通の人にはできないと思いますが
演習訓練によって
共通テスト6、7割は取れるようになります。
演習訓練によっては
8割ぐらいはいけそうなんですけどね。
–※新課程と旧課程にご注意ください–
これが
2022年4月以降の高校入学者対応です。