みなさん、こんにちは。
本日紹介する問題集はこちらです。
たぶん
ぜんぜん有名ではないのかもしれないんですが
非常に使える問題集です。
そして
仕上げるとかなりの学力になります。
「もう少し、ここを変えてほしい。」といった要望も
いくつかあるのですが、
それを差し引いても
価値ある本だと思います。
ちなみに
本書は ↓ kindle unlimited で無料で読めることが多いです。
今もなのかな。
どんな本なのか
出版社:KADOKAWA
著 者:森本将英
価 格:¥1,980
大きさ:A5判
発売日:2017年1月20日
厚 さ:424ページ(問題解答一体型)
カラー:2色刷り
結構厚いです。
そして
問題(63ページ)と解答の一体型です。
使いにくいので
問題編を切り離して
強引に分冊状態で利用する方が良いと思います。
問題編では
問題が羅列しています。
紙質は
KADOKAWAらしさが出て
安っぽい感じです。
構成
問題は160題収録されており
主に旧帝大や早慶などの
難関大学の過去問で構成されています。
問題編には
問題が羅列されており
難易度(A~C)と目標解答時間が表示されています。
解答編のページでは
まず、
その問題を解くうえでの発想が説明されています。
そのあとに
解答というのが基本の構成です。
重要事項がまとまっている「ポイント」
別解や公式証明などの
より学力レベルを向上させるための「講義」
問題を解く際に注意しておきたいことは
「コメント」で表示されています。
レイアウトが整っているわけではありませんが
構成については
統一されていて慣れれば問題ありません。
目次
1章から14章までそれぞれの分野で構成されており
15章は「総合・融合問題」になっています。
問題数
問題数は全体で160題で
演習問題などはありません。
つまり160題のみです。
理系数学を160題におさえたということは
かなり少なく
本当に「マスト」な問題です。
章 | 問題数 |
1章-関数・方程式・論理・整式 | 8 |
2章-整数 | 10 |
3章-場合の数・確率 | 10 |
4章-図形と方程式 | 6 |
5章-三角関数 | 7 |
6章-指数対数 | 5 |
7章-微分法積分法 | 5 |
8章-ベクトル | 9 |
9章-数列 | 13 |
10章-式と証明 | 10 |
11章-複素数平面 | 13 |
12章-極限 | 6 |
13章-微分法 | 12 |
14章-積分法 | 22 |
15章-総合・融合 | 24 |
各単元の問題数は以上です。
問題レベル
問題は難しいものもありますが
全体的に標準~ちょっと難しいレベルです。
頻出良問の選題で、問題数が最小限に抑えられていますので
原則、
絶対に解けないといけない問題しかないと思ってよいです。
各問題はレベルA~C(易~難)に分かれています。
学力や志望大学に対応した使い方ができます。
基本解法を身につけた受験生が
演習用教材として使用できます。
詳しさ
旧帝大レベルに対応できる演習用教材としては
かなり詳しい解説になっています。
選題についても
頻出で、標準的で、普通で、
非常に良いと思っています。
この段階の演習用教材では
解説が雑であるか
選題が「ええええ~ナニこれ」みたいなことになっている
問題集が多いのですが
この本はどちらも結構良いです。
あの
有名なプラチカを
解説も良くし、
選題も良くして、
ⅠAⅡBⅢを
一冊にまとめた
そんな
問題集だと考えると良いんじゃないかと思います。
ただ
プラチカよりは簡単です。
解説には
発想、着眼点が説明してあり
身につけた解法をどのような視点で
発動させるのかがわかります。
解くうえで注意すべき点も書かれていますし
類題へのアプローチ方法や
別解もあります。
とても良い本だなって思っています。
理系難関大学に対応することを目的とした演習本ですから
定義、定理、公式などは修得しているという前提で解説されています。
誤植
訂正内容が出版社のHPに載っています。
使うべき人は誰か
難関大学理系志望者で基本解法を修得した人
解説は詳しいですが
基本解法を修得していない人が使用するのは難しい演習本です。
基本解法の修得ができていない人が学習しても
効果的かつ効率的ではありません。
「基本解法は身についているけれど、模試や過去問が解けないなあ。」
みたいな人には良い教材です。
本書には偏差値55ぐらいの人も対象にしていますが
全統記述などの普通模試で
偏差値が60程度になっていないと厳しいかなと感じます。
このあたりの問題集は完成させておくべきです。
ⅠAⅡBだけの問題集ならば
基本解法を修得して
このあたりの本の問題が
スラスラ解けるうえで
本書を演習するのが適切です。
入試までの時間的な問題や学習計画もあると思いますが
オススメ教材です。
学習方法
演習本、
つまりアウトプット教材です。
基本的には
順番に解いていけば良いと思いますが
数学に自信がないのであれば
最初に
レベルAとBを解いて
完全に理解・修得してから
レベルCや最終章の総合融合問題に挑戦していくという方法もあると思います。
解答解説はとても丁寧で詳細です。
本書で扱っている問題レベルを考えると
なかなかないレベルで解説が丁寧です。
適切な学習レベルの人が取り組めば
わからない問題でも
解説を読めば理解できます。
ただ
「ちょっと考えて、わからないから解答を見て入力しよう」では
少しもったいない教材です。
この本を学習する意味は
問題に対して
どのように視点をもって
どのように解くためのアプローチをするか
発想を鍛え、
経験を積んでいく
そのような段階の学習教材です。
解答目標時間を意識して解くことも
大切ですが
自分のもっている解くための道具を
どうやって使うかを試行錯誤しながら
学習すると良いのではないでしょうか。
難関大学の入試を突破するためには
どうしても
「問題を解くために正しくアプローチする」という壁を
越えていく必要があります。
その最初の訓練として
有効な問題集です。
また
著者の森本先生が解説動画をYouTubeにアップしています。
すべての問題ではありませんが
参考になります。
レベルが少しバラついていて
学習しにくいですが
以下の問題集で強化を図ることも効果的です。
ふつうは
「標準問題精講」を学習して
「マスト160」を学習すべきですが
「マスト160」を学習後
「標準問題精講」を学習すると
理解がスムーズになる範囲もあります。
特に数学Ⅲの微積は
「標準問題精講」の方が問題が難しいです。
「少し微積が手薄かな」と感じるようであれば
分野ごとに演習しても良いですね。
標準問題精講ⅢCの微積は、
かなり難しい問題集ですが
やり切ると力は確実につきます。
記事もありますので
参考にしてみて下さい。
到達レベル
やり込めば旧帝大や早慶大にも挑戦できる!
完成させると
一般的な模試で偏差値65程度にはなりますので
学力レベルが
その前後の難易度の大学入試に対応できます。
国公立と私立の入試問題の質が
若干違いますが、
過去問演習で補正します。
基本的に
どんな問題集を仕上げたとしても
最後は過去問演習での訓練は必須です!
数値的には
ギリギリ国公立大学の医学科にも対応できるのではないかと思います。
今までの生徒の中で
この本を最終段階として取り組み
国公立医学部医学科に挑戦した人がいないので
なんとも言えませんが
数字の上では
合格をつかめます。
ただし
受験校選定の際に慎重になる必要があります。
本書学習後
志望としている大学を中心として
過去問演習で補正補強すれば
大丈夫だと思います。
本書メインとして学習し
過去問演習を行いながら
分野ごとに
強化したいところについては追加でレベルアップを図るという
感じで
最難関大学の数学をしのぐという戦略もアリです。
東大理系数学で
「30点ぐらいでもイイのだ」という場合は
本書メインの学習で
東京大学合格の可能性も出てきます。
もちろん
過去問演習必須です。
東京大学であれば
さらに
微積強化も必須ですかね。
最難関大学に対しては
心許ないところもありますので
本書学習後に
時間的に問題がなければ
もう一歩だけ上位の学習をすると
より安心できます。
仕上げて
ゴリゴリ過去問演習で
旧帝大も挑戦できます!!
解説が詳しくて
その点は
「ドンと来い」問題集です。