みなさん、こんにちは。
本日紹介する問題集はこちらです。
数学標準問題精講のⅢです。
このシリーズは
著者がすべて違うので
1冊ずつ確認していきます。
前回までにⅠAとⅡBを紹介してきました。
ⅠA、ⅡBについては
「結構難しいよ~」という問題集でしたが、
Ⅲはどうでしょうか。
問題の選定やレベルについて確認していきたいと思います。
結論から言うと
ⅠA、ⅡBに劣らず
かなり難しいですが、大変良い問題集です。
それでは、詳細に見ていきましょう。
どんな本なのか
出版社:旺文社
著者:木村光一
価格:\1,760
大きさ:A5判
発売日:2020/7/13(三訂版)
厚さ:344 ページ
色:2色刷り

ⅡBほどではありませんが、
それなりの厚さはあります。
構成

例題、精講、解答のプロセス、
解答のあとに研究、そして類題の演習問題が掲載されています。
ⅠA、ⅡBと同じ構成です。
1. 標問:典型的な入試問題を選定
2. 精講:問題を解くにあたって必要な知識と着眼点
3. 解法のプロセス:問題を解くためのフロー
4. 解答:模範解答、補充説明
5. 研究・参考:掘り下げ解説、別視点・別解、公式証明、発展的思考法
6. 演習問題:標問の類題、1~3題ほど
このシリーズのレイアウトは
相変わらず綺麗で読みやすいです。
演習問題の解答は切り離しはできません。
でも、
ホームページに演習問題の解答PDFが公開されています。
これを見ながら、または印刷すれば使いやすいですね。

目次
第1章 数列の極限と無限級数
第2章 微分法とその応用
第3章 積分法とその応用
第4章 複素数平面
第5章 式と曲線

本書ラスト70ページほどは演習問題の解答になっています。
問題数
分野 | 問題数 | |
第1章 | 数列の極限と無限級数 | 16題 |
第2章 | 微分法とその応用 | 33題 |
第3章 | 積分法とその応用 | 41題 |
第4章 | 複素数平面 | 14題 |
第5章 | 式と曲線 | 12題 |
例題は全116題、演習問題も全116題です。
問題レベル
難しいです。
やはり、
このⅢが標準問題精講数学シリーズで一番難しいのではないかと思います。
「なかなか重たいな」と感じる問題が多く、
解くのに時間がかかります。
微積分野の問題はかなり気合が入っています。
かなり難しいです。
重量級の選問ではありますが
本書を学習するレベルにある人にとっては
大変良い問題が選ばれています。
学習しきったとき
実力の向上は凄いことになっています。
その点で言えば
「傑作」と言って良い問題選定です。
演習問題も
同様のレベルの問題です。
本シリーズでは
ⅠA、ⅡB、Ⅲの順で収録されている問題レベルがあがります。
「ⅡB、問題難しいなあ。」と思ったんですが、
Ⅲはもっと難しかったです。


詳しさ
問題レベルの高さもあって、
解説を読み解くことのできる学習者である必要があります。
使用者を選びます。
計算の省略はありますし、
手取り足取りの解説ではありません。
本書の解説が厳しいと感じる人は無理せず
もう少し解説が丁寧な問題集が良い人は
以下がおすすめです。

標準問題精講は
収録問題のレベルの高さから考えると丁寧であると言えますし
考え方や解き方の説明もあり
適した学習者であれば十分に理解できる解説です。
そして、
「研究」が素晴らしい。
受験には不要だと考える人もいるかと思いますが
背景を知ることで理解が深まり
応用することができるようになります。
このような
知識を欲している学習者は少なからずいます。
解法を入力するという学習では
獲得することのできない力を得ることができます。
使うべき人は誰か
基本解法を修得し、入試過去問で演習できる人
演習用教材です。
Ⅲについては、旺文社の基礎問題精講からの接続は難しいですね。
できないことはないですが、時間がかかって効率的に進まないので、
間に適切な問題集を挟んで
段階的に学習する必要があります。

ⅠAやⅡB同様に
ある程度の学力を有する人じゃないと挫折します。

少なくとも
このレベルは完全に仕上げておく必要があります。
標準問題精講を学習する場合は
一般の記述模試で
少なくとも偏差値が60を突破していないと
効率的な学習になりません。
「北大とか九大の過去問演習をゴリゴリやってて、
東北大の過去問もちょっとずつ挑戦してます~」
というレベルの人が、
さらにレベルアップするために使うと覚醒する感じです。
効率的に定石良問を解きたいという学習者に適しています。
学習方法
使用イメージとしては
「重量感のある質の高い定石良問を効率的に解いて
レベルアップをはかる」という感じです。
演習用教材ですが、繰り返し解いていくと
学力が高まっていく感じが自覚できます。
そうなると
本書を好む人がいることを理解できます。
例題も演習問題も両方解きたいのですが
演習問題の解説が
めちゃめちゃ厳しいときがあります。
演習問題については
解説というか、
基本的に解答です。
可能であれば
解答を説明できる指導者がいるほうがイイですね。
演習問題の解答については
独学では
理解のキツイ場面に結構遭遇するかもしれません。
到達レベル
旧帝大、早慶大を突破する!医学科も突破!
適した学習者が本書を仕上げると
学力の向上を実感できるほどパワーアップします。
完成したときには
医学科を含む
ほぼすべての大学にアタックできるレベルになっています。
東大や京大には到達しないとよく言われていますが
どうなんでしょうか。
本書の後に過去問演習で訓練をすれば
それなりに得点できます。
例えば東大ならば
少なくとも30点程度は取れるようになります。
30点、もしくは40点を数学で獲得できれば
他の科目の得点によっては
東大合格が可能です。
選問は素晴らしいと言えますし、
仕上げた時の実感できる自身の学力、
問題が解ける喜び、
良い問題集です。
受験までの残り時間を考えて
使用できるタイミングがあるならば
とてもオススメできる問題集です!