みなさん、こんにちは。
本日紹介する問題集はこちらです。
今ではもう
結構スタンダードになっている参考書ですね。
現代文の超入門書です。
レベルとしては
以前紹介した以下2冊と同レベルでしょうか。
ただし
それぞれの内容が少し異なるので
自分に合ったものを使用する必要があります。
現代文が苦手で
初めて学習する人には
本書はかなり適した参考書です!
それでは詳しくみていきましょう。
どんな本なのか
出版社:かんき出版
著者:柳生 好之
価格:¥1,100
大きさ:A5
発売日:2020/4/3
厚さ:176ページ
色:白黒(ハイライト)
問題集というより参考書なので
別冊という形はとられていません。
ページ数も多くなく
読むだけであれば
数時間で読破できます。
構成
二部、全六章構成になっています。
第一部では現代文を学習していくうえで必要な知識を解説しています。
現代文とは何か、正しい読み方と解き方について。
現代文を正しく読むために必要な「文法」について。
内容を把握するための読み方について。
知識の解説→ 例題で理解→ 実践問題で確認→ “覚醒ポイント”でまとめ
という流れになっています。
第二部は入試問題を利用して実際に演習を行います。
本文解説→ 設問ごとの解説 という流れです。
目次
第一部
現代文を「正しく」読むための絶対ルール
第一回 現代文という科目の正体を知っているか
第二回 これがわかれば現代文は読み解ける
第三回 現代文の読み方決定版
第二部
大学入試問題を解いてみよう
第四回 評論文に挑戦しよう
第五回 小説文に挑戦しよう
第六回 随筆文に挑戦しよう
問題数
現代文の問題として
まとまった形になっているものは
第二部の3題です。
それぞれ評論文、小説文、随筆文の問題です。
各問題には設問が8問~9問あります。
第一部にも
解説した知識を確認するための小問題が掲載されています。
例題と実践問題がセットになっていて
それぞれ13題あります。
問題レベル
第一部は
知識問題を確認するための小問題です。
クイズ感覚で進められます。
そして
中学生でも理解できる内容です。
第二部は
私大入試レベルの問題です。
それほど難しくありません。
しっかりとした現代文問題ですが
解説が丁寧です。
本文解説と問題解説が分かりやすいので
第一部で知識を学び
乗り越えてこれた人は
理解することができると思います。
詳しさ
コンセプトは「現代文超入門書」です。
現代文初学者が挫折しないように作られています。
解説は詳しく
イラストや図解説明もあり
わかりやすく感じられます。
なにより
非常に平易な記述なので
現代文がかなり苦手な高校生や
本格的に現代文を学習したい中学生でも使用できます。
第一部では
「現代文とは何か?」「どのように正しく読むか」「どのように正しく答えるか」
といった現代文学習の導入からスタートします。
まさに
現代文初学者用の参考書と言って良いでしょう。
そして
「文法」の解説が続きます。
正しく読むためには基本文法知識が不可欠であり、
そのルールを駆使して
一文一文の構造を理解し
丁寧に読みましょう、というアプローチをとっています。
「助詞」「指示語」「接続表現」が丁寧に解説されています。
第一部の最後は
”レトリック(説得術)” という表現で記載されていますが、
読解パターンの説明がされています。
どこの部分に注目して筆者の主張をつかむかの解説が行われています。
具体例、比喩、引用、譲歩など
これらの文章表現について
どのように考えて論理展開を理解し
筆者の主張をとらえるかが丁寧に説明されています。
さらに
小説文の「心情」の捉え方の説明ものっています。
この小説文については
解説されていない現代文参考書も多いので
現代文初学者用の本書に載っているということは
とても価値があると思います。
第二部は
実際の入試問題を使用して演習していきます。
問題があり、
そのあとに
「本文解説」として図解されています。
しかし
第一部で ”レトリック(説得術)”として
解説されていましたが、
現代文初学者がこの図解で
本文構造を
初見で理解するというのは
結構難しいかもしれません。
何度も
問題本文と本文解説を比較しながら
確認していきましょう。
設問の解説については
設問ごとに丁寧に行われています。
必要な場合は
本文を抽出して図解しています。
わかりやすいと思います。
使うべき人は誰か
現代文初学者、現代文の得点が安定しない人、現代文が苦手な人
本書は現代文の超入門書です。
初学者の1冊目として適していると思います。
1冊目として学習する
似たようなレベルの他の参考書としては
「船口のゼロから読み解く最強の現代文」や
「田村のやさしく語る現代文」も有名です。
この各参考書の
違いを説明します。
本書と
似ているのは
「田村のやさしく語る現代文」です。
これについては
柳生先生も参考にしていると言っています。
実際に本書第一部では
文法解説が行われています。
田村先生同様に
柳生先生も文法の理解が
正しい読解を導くという観点で説明しています。
どちらが厳密で本質的かというと
「田村のやさしく語る現代文」の方です。
かなり詳細に記載されていますが
「田村のやさしく語る現代文」は
ほぼ文字なので
「図解で理解の助けがほしい!」
という人にとっては
なかなか辛い参考書かもしれません。
その点
この「ゼロから覚醒はじめよう現代文」は
とにかく挫折を食い止めるような
現代文参考書を目指して作られているだけあって
解説はわかりやすく
イラストあり
図解あり
ハイライトでなんとなくカラフルな紙面になっていて
学習しやすい参考書です。
実際に
各参考書を
それぞれ
中学生に渡して
学習をさせたことがありますが
どちらも
問題なく中学生でも学習できていました。
「ゼロから覚醒はじめよう現代文」の方が
現代文学習へのハードルは低めなので
現代文の学習に自信がない人や苦手な人は
本書が「はじめの1冊」として適しているのかもしれません。
また
「田村のやさしく語る現代文」で挫折してしまった人も
本書をやってみると
内容としては似ているの部分も多く
スムーズに学習できて
現代文学習の再スタートを切ることができるかもしれません。
一方で
同じ現代文学習の1冊目として推奨されることの多い
「船口のゼロから読み解く最強の現代文」は
正確に言えば
本書とはフォーカスポイントが違います。
「ゼロから覚醒はじめよう現代文」は
「田村の…」ように文法的観点からの
一文理解に力点を置いていますが、
「船口のゼロから読み解く最強の現代文」は
本書の第一部の第三回で説明されているような
文章把握をより詳しく説明しています。
文章の展開や構成を理解する方法を解説しています。
どのような点に注意して読めば
正しく読めて
文全体の論理展開や筆者の主張がつかめるかを
図解などを使い
非常にわかりやすく解説しています。
「船口のゼロから読み解く最強の現代文」は
文の展開を読み解くという点に力点を置いています。
「ゼロから覚醒はじめよう現代文」は
現代文”超”入門ということですので
現代文がとにかく苦手であったり
現代文学習で何をすれば良いのかわからない人だったり
現代文の学習を継続する自信のない人などには
ピッタリです。
現代文初心者にとって
心強い参考書です。
学習方法
本書の特徴と使い方のところに書かれていますが
はじめから
ひとつひとつ学習を進めていくことが学習方法基本です。
この本を学習する人は
現代文の初学者であったり、苦手という人だと思います。
最初から丁寧に読んでいきましょう。
第一部は知識の確認・入力になります。
「例題」とその解説で内容を理解して
「実践問題」で実際にその知識を試し、確認します。
そして「覚醒ポイント」を自分に記憶に刻みましょう。
第二部は実際の入試問題を扱っています。
第一部で知識を得ていると言っても
さすがに初学者は
解けません。
たぶん。
入試問題のあとに「本文解説」が図解されているのですが
ここを見ながら
再度問題を読んでみると良いと思います。
それによって
入試問題の文章構成が大まかにつかめます。
構成をつかむ学習は
今後、ほかの問題集で細かく訓練していきますので
本書では
できるかぎり
文の展開をつかむという感じでかまいません。
本文解説のあとは
各設問の解説に移っていきます。
注目すべき本文を抽出しながら
設問に対して
丁寧に解説されています。
わかりやすいですので
解説を熟読して
正答に至る理由、プロセスを確認しながら進めます。
柳生先生の
思考プロセスを自分にインストールというイメージで読みましょう。
数回繰り返して
正答を導き出す過程を完全に再現できるレベルにします。
それで本書利用は完了とします。
その後は
文章把握の技術を高めていきましょう。
以下の参考書が適していると思います。
これらで
学習した後
開発講座で本当に現代文の能力を覚醒させましょう!
現代文も他の科目同様で
知識を入力しても
得点は安定しません。
知識入力のあとは
適宜問題集や過去問を使用して
演習をしていく必要があります。
到達レベル
本格的な現代文学習をスタートできるようになる
現代文の超入門書ですから
本書を学習しても
劇的に現代文の得点が向上するということは稀です。
演習量も不足しているので。
現代文とはどういうものか、
どんな感じで学習すれば良いのかがわかり、
現代文初学者やなんとなく現代文を解いていた人には
具体的な学習指針を与えてくれます。
この本をきっかけに
本格的な現代文学習をスタートできます。
ただ
手当たりしだいに現代文を学習して
もがいてきた人が
この本で覚醒するということはあるかもしれません。
本書だけの学習で
到達ラインを推察することは難しいですが
偏差値40~45ぐらいのレベルには達すると思います。
現代文学習を本格的にスタートしたい人、
現代文に迷走している人など
一考の余地はある参考書です。
特に
現代文の学習継続に自信がない人には
オススメの現代文参考書です!!