みなさん、こんにちは。
今回紹介する問題集は、
やさしい高校数学の問題集版
「大学入試数学Ⅲおさえておきたい基礎50+応用50」です。
以前
数学ⅠAⅡBバージョンを紹介しました。
今回の紹介はⅢの「基礎50+応用50」です。
旧課程対応になります。2022年4月で高2以降が対象です。
どんな本なのか
基本解法と有名問題解法を厳選して収録してある問題集
出版社:学研
著 者:きさらぎ ひろし(やさしい高校数学の著者です)
発売日:2021年3月18日
価 格:¥2,200
大きさ:B5変判
基本レベル問題と入試レベル問題の分冊です。
基礎トレ編(左):147ページ 2色刷り
うかる編(右):284ページ カラー
2冊合わせて
青チャートⅢとの厚さ比較です。
厚いですが
基礎トレ編とうかる編が分冊なので
必要な方だけ持ち歩いて学習すれば良いですね。
問題数
”基礎50+応用50”ですので
当然
全100題となります。
すべて国公私立大学の過去問で構成されています。
基礎トレ編が基本問題、うかる編が入試有名問題です。
平面上 の曲線 | 複素数平面 | 関数 | 極限 | |
基礎トレ編 | 5題 | 8題 | 3題 | 6題 |
うかる編 | 2題 | 7題 | 2題 | 2題 |
微分法 | 微分法応用 | 積分法 | 積分法応用 | |
基礎トレ編 | 1題 | 10題 | 6題 | 11題 |
うかる編 | 2題 | 7題 | 11題 | 16題 |
ⅠAⅡB同様に
収録している問題数は
網羅系参考書に比べるとかなり少なくなっています。
たとえば
「NEW ACTION LEGEND 数学Ⅲ」
と比較してみましょう。
「NEW ACTION…」の例題数は
297題です。(演習問題、練習、特別な範囲を除く)
また分野での問題数をみていきます。
「NEW ACTION…」の
積分分野の例題は86題です。
一方で
本書の積分分野(積分法+積分法応用)は
44題です。
半分程度の問題数になっています。
構成
単元の配置は
ⅠAⅡBと同じで
一般的な並びになっています。
基礎トレ編の構成
問題→解答→定理・公式等の基本事項確認
という流れになっています。
問題ごとに
難易度や目標解答時間が表示されています。
巻末には索引があります。
うかる編の構成
問題→生徒の解答→会話、POINT→先生のうまい解答
という流れです。
途中右側に基本内容などの補足説明や公式が「キホン」として
載っています。
生徒の解答は正解だったり不正解だったり
未解答だったりして
そのあと先生と生徒との会話を通して
解答への解説を進めていきます。
POINTには
問題を解くうえで重要な着目点が示されています。
最後に
先生のうまい解答として模範解答が載っています。
基礎トレ編同様に
難易度や目標解答時間が表示されています。
構成については
ⅠAⅡBバージョンと同じです。
内容
問題は100問すべて
国公立&私立大学の過去問で構成されています。
基礎トレ編の問題は
基礎知識を使用して解く問題です。
ⅠAⅡBは
ほとんどが穴埋め式の問題でしたが
Ⅲについては
通常形式の問題が多く収録されています。
うかる編では
入試の有名問題を扱っています。
東大や東工大などの
難関大学入試もあります。
どのように問題を捉えて
どのように知識を使い
解答にたどり着くために
どういった視点でアプローチするのかを学びます。
問題難易度は両編ともに5段階で表示されています。
目標解答時間は
数分~30分で
うかる編では
目標解答時間が比較的長めの問題で構成されてます。
解説は
柔らかく丁寧です。
数学が苦手な人にとっては
取り組みやすい問題集だと思います。
使うべき人は誰か
教科書知識の入力を終えて、過去問演習につなげたい人
ⅠAⅡBと同様ですが
教科書の基礎知識の修得は必須です。
本書は
知識0でスタートするものではありません。
問題集なので。
以下のような本で教科書レベルの知識を学習しておく必要があります。
この問題集で演習した後に
本書で
さらにレベルアップを計るというシナリオもありますね。
良い感じでステップアップできます。
または
同じ著者の本を学習しておくとか。
「おさえておきたい」問題集では
本当に基本的なところは抜かれています。
そこは
この「やさしい高校数学」で学習しているからです。
本書「おさえておきたい」シリーズは
教科書レベルの基礎知識を入力した人が
基礎トレ編で
基礎知識で解ける入試問題を解き、知識の確認をして
うかる編で
有名問題の問題の見方、知識の使い方や組み合わせ方、
アプローチ方法などを体験し
一般的な入試問題を解くレベルに到達させます。
網羅性は
問題数から判断すれば
他参考書に劣りますが
入試における題材の大枠を掴むということは非常に重要です。
そして「おさえておきたい」シリーズの
厳選された問題で知識確認をし
新たな知識を吸収することによって
大学の入試問題に対応できる可能性を感じると思います。
本書を完全修得して
是非志望大学の過去問に取り組んでみてください。
自分がどの位置に立っているのかを知ることができます。
普通の網羅系参考書を仕上げることが難しい人は
「おさえておきたい」シリーズを仕上げて
より短期間で
過去問演習に入ることができます。
難関大学志望者で
試行訓練用の問題演習を求めている人は
以下の問題集に進むと良いですね。
どれも
良い問題集です。
学習方法
普通に解き進めれば良いと思います。
基礎トレ編は
問題→解答→基本事項確認
というシンプルな構成です。
解答は省略は少なく丁寧です。
ただし
教科書知識を入力するための本ではないので
教科書基礎知識を入力後に
本書基礎トレ編で知識確認をしていきます。
基礎トレ編を完全に仕上げた後に
うかる編に取り組み
有名問題の解き方や考え方を学びます。
うかる編で重要なことは
どのように解答に至るか
そのプロセスが再現できるかということです。
また
問題文から何をポイントに方針を決めるかということです。
反復すれば覚えてしまって
何も考えずに正答に至るようになりますので
そうではなくて
繰り返す際は毎回
ポイントやプロセスを丁寧に確認しながら
解答作成を行うことが大切です。
到達レベル
仕上げれば過去問演習
正しく仕上げれば
過去問演習に行けます。
網羅度を心配するかもしれませんが
この本を仕上げると
結構耐えます。
過去問演習で
不足している部分、
抜けている解法や考え方を見つけて
新たに身につけるという学習が効率的です。
もちろん
「旧帝目指してます!」「医学科目指してます!」的な
レベルの問題集に進んでもイイと思いますけど。
旧帝大の上位とか
早慶とか
それから私立の医学科とか
難関と言われる大学にひっかかるかもと
感じられるようになるはずです。
問題形式が結構私立医学部に威力ありかなと思います。
普通の人は
知識入力後の
演習量がとても大切です。
本書学習後は
過去問演習でどんどん演習できる段階になっています。
ⅠAⅡBでも書きましたが
広島大や北海道大などの標準&良問と言われる入試問題には
間違いなく到達しています。
つまり
「おさえておきたい」シリーズを
仕上げたら
ゴリゴリ過去問演習なのです。