みなさん、こんにちは。
本日紹介する問題集は、
河合出版「数学Ⅲ重要事項完全習得編」です。
これは
以前紹介した「文系の数学 重要事項完全習得編」の数学Ⅲバージョンです。
数学Ⅲも非常に良い問題集です。
演習問題の問題レベルの統一もされています。
こちらの方が完成度は高いかもしれません。
どんな本なのか
相変わらず
このシリーズは傑作です。
塾でも
教科書レベル+αの問題演習に取り組む際は使用することが多い教材です。
この問題レベルが仕上がると
結構な有名大学に挑戦可能となります。
出版社:河合出版
著 者:堀尾豊孝(編集協力:石部拓也、影平俊郎)
価 格:¥1,320
大きさ:A5判
発売日:2020年12月16日
本 体:208ページ、2色刷り
別冊解答:92ページ、2色刷り
「文系の数学」は赤で
「数学Ⅲ」の表紙はオレンジっぽくなっています。
こちらも
演習問題の解答は分冊になっています。
構成
目次
当然
扱っている問題は数学Ⅲの内容です。
100のテーマにまとまっており
100題の問題を解く中で
その重要事項を理解整理し
巻末には111題の演習問題を収録してあります。
その演習問題で
例題を通して理解してきた知識をアウトプットします。
構成はⅠAⅡBの「文系の数学」と変わりません。
「例題→解答→解説講義→必勝ポイント」の構成で、
100題すべて同じです。
そして「OnePointコラム」で少し突っ込んだ内容が解説されています。
レイアウトは整っていて
見やすくなっています。
問題数
例題100
範囲 | 例題数 |
複素数平面 | 15題 |
いろいろな関数 | 5題 |
極限 | 16題 |
微分 | 24題 |
積分 | 28題 |
2次曲線 | 12題 |
巻末演習問題111題
別冊解答
演習問題については
ⅠAⅡBの「文系の数学」から改良されています。
演習問題が
どの例題と対応しているのか
そして
演習問題を解く際の指針が
解答のはじめに載っています。
演習問題については
問題の質も
例題に対して適したレベルになっており
本当に「良い練習問題」といった感じです。
ⅠAⅡBの「文系の数学」の演習問題と比べても良くなっています。
「文系の数学」の演習問題は若干レベルにばらつきがありましたね。
問題数は
基礎問題精講Ⅲと大きく変わりません。
すべてが
入試問題で構成されており
例題、演習問題ともに
レベルが統一されており
さらに
解説が丁寧で
教科書レベル完成後の演習教材としては
非常に適していると思います。
問題レベル
教科書章末~入試基礎 です。
入試で出題される頻出典型問題です。
「文系の数学」同様に、
収録されている問題はすべて
”絶対に正解しなければならない問題” です。
解法確認はもちろん
数学Ⅲですから
”計算” も確認していく必要があります。
計算のせいで
数学の得点の伸びに苦しむ生徒を
何人見てきたことでしょう。
計算を自分でやってみて
正確に速く計算ができるのかを確認してみて下さい。
予想に反して
自分の計算力は
それほどでもないと
数学Ⅲを学習する中で発見できるかもしれません。
計算力の向上は、大変ですよ。
時間がかかります。
鍛錬してください。
数学Ⅲでは特に
強靭な計算力が必要なのですから。
演習問題は
「文系の数学」以上に例題に合った問題レベルになっています。
例題で学んだ知識を
出力訓練できる練習問題になっています。
教科書レベルプラスアルファの問題レベルですが
このレベルの問題を確実に正解する力というのは
実は重要です。
あやしい人は大勢います。
実際に
重要事項完全習得編シリーズの
「文系の数学」「数学Ⅲ」の2冊を完全に仕上げてみて下さい。
全統記述模試などの一般的な記述模試であれば
偏差値60弱になると思います。
場合によっては、偏差値60を超えます。
詳しさ
解説は丁寧で細かく
計算過程も詳細に記載されています。
重要な別解は
本書学習者の適したレベル範囲内で載っています。
問題から
どのように論理的に考え、
方針を立て
どんな点に注意して解いていくのかを解説してありますし
要点として
「必勝ポイント」にまとめられています。
補足説明も十分で
教科書の内容が理解できていれば
問題なく学習を進めることができます。
教科書レベルの修得は必要ですので
本書学習前に身につけましょう。
「授業&教科書」で良いと思いますが
以下のような参考書でも修得可能です。
使うべき人は誰か
教科書レベルの学習を終えた人の最初の演習教材
「重要事項完全習得」シリーズは
解説の丁寧さと問題選定が本当に秀逸です。
問題レベルも
教科書知識を確認するためにちょうど良いレベルです。
とは言っても
この問題集を仕上げると
相対的に学力は高くなります。
それだけ
このレベルの問題を完成させている人が少ないのです。
まず本書レベルの問題を完成させることが重要で
完成した後であれば
一般的な大学の入試問題に取り組むことができます。
たとえば
とか。
地方国公立大学の数学であれば
挑めます。
ただ
赤本は少し解答が粗いので
神戸大や北大の難関校シリーズが良いと思います。
まあ
もう少し鍛えたいのであれば
レベルアップした問題集でも良いですね。
こんな問題集とか。
これがちょっと難しいと感じる場合は
この本で
ステップアップする方法もありますね。
過去問演習に入れるのであれば
過去問でレベルアップしていくことが
学力アップの秘訣です。
学習方法
「文系の数学」同様
すべてが最重要事項・典型問題です。
解法や方針も重要ですが、
数学Ⅲは計算も大変重要です。
反復練習をすることで
スラスラと解けるようにしていきます。
演習問題の方が少し問題レベルが上がっているように
感じることもあるかもしれませんが
レベルは整っており
問題なく解き進めることができます。
例題と演習問題を合わせて
200題ちょっと
1ヶ月ほどで1周できます。
あとは
繰り返して
完成度を高めて
淀みなく解けるようにしていきましょう。
本書を利用していく中で
「あれ、ⅠAⅡBの範囲があやしいかも」というのであれば
躊躇せずに
「文系の数学」に戻り確認するべきです。
数学Ⅲで数学ⅠAⅡBの知識を使うことはよくあるので。
自分の必要なことを
適したレベルで学習することが
学力を上げる上では大切です。
到達レベル
偏差値60ギリギリ突破!
理系の受験生の中での相対評価なので
「文系の数学」のように
”偏差値60突破!”と言い切れませんが
それでも
本書を仕上げて
適切なレベルの大学の過去問演習で鍛えれば
その近くまでいくと思います。
場合によっては突破します。
少なくとも
本書を仕上げた後に
一般的な模試を受験すると
「解けそう!!」と確実に感じます。
なぜか世の中では
ハイレベルな学習指導を受けたり
高度な問題集を学習したりといったことが多いのですが
自分の状況を客観的に
「数字」で追うようにしてみることが肝要です。
”偏差値60”って
低めの旧帝大に挑めますから。
もちろん
過去問演習は必須です。
自分の進めている学習内容が
自分にとって
本当に適したものなのか
志望大学に対して適した学習計画なのか
ときに再考するということは必要です。
謎の学習をしている人はたくさんいます。