みなさん、こんにちは。
今回紹介する本は
現代文の問題集です。
有名な問題集ですね。
この問題集は
全三冊で構成されています。
難度は基本編、発展編、完成編と上がっていきます。
今回は
その1冊目「基本編」を見ていきます。
内容やレベル、
いつ使用するべきなのか、
そして
次にどのように学習を展開していくのかを書いていきたいと思います。
どんな本なのか
出版社:河合出版
著 者:荒川久志(共著:石川匠、立川芳雄、野島直子、晴山亨)
価 格:¥1,026
大きさ:A5判
発売日:2013年7月
色:3色刷り
本体(問題、問題本文解説):190ページ
別冊(解答解説編):69ページ
表紙カバーはどこかへいってしまいました。
解答解説は別冊になっています。
目次
例題4題と練習問題12題があります。
第6問と第12問は小説問題になっています。
巻末には
”読解へのアクセス一覧”と”語句索引”があります。
問題レベル
前半の例題4題:本文の読み方の基本確立
後半の練習問題12題(ステップ1:6題、ステップ2:6題)
練習問題は徐々に難しくなっていきます。
全体的に問題文の長さは短めです。
通常の入試問題や模試は
本書問題文の1.5倍から2倍あります。
まず例題4題で現代文の基本的な読み方を学びます。
ただし、”基本的”といっても
現代文初心者の ”1冊目” という意味ではありません。
初心者が取り組むには
問題文も解説も少し難しいと思います。
基本的な読み方や指示語や接続語などの働きといった
現代文をどのように読むのかをひと通り学んだ人が
「演習用1冊目」として取り組むには良いと思います。
現代文読解の「導入本」ではありません。
あくまでも
知識出力用の「演習本」です。
問題形式
問題は一般的です。
主に漢字問題、空欄補充問題、抜き出し問題、記述問題、本文適合問題です。
1題につき5~6問程度あります。
構成
問題文と設問があり、
そのあとに
”語句の意味”と最重要語の”現代文キーワード”の解説があります。
これは
現代文を読み解くうえで非常に重要な知識になります。
完全に入力しておきます。
現代文のキーワードや背景は
頻出語や頻出テーマがあります。
本書で効率よく
その知識を得ておきましょう。
また
類義語や反対語、言葉の使い方なども記載されております。
大変使える内容です。
その次に
”本文解説” になります。
丁寧に本文解説がなされています。
クセは少なく
基本的な現代文の読み方を学んだ人であれば問題なく理解できます。
現代文読解法を学んだばかりの人は
解き方というよりも
読み方に重点を置かれた問題集の方が適していると思います。
その点、本書は適しているのではないでしょうか。
意味段落ごとの解説や要旨、
構成が分かりやすく説明されています。
文章をどう読むのか、
どのように内容を把握すればよいのかというポイントが
”読解へのアクセス” です。
解説内に読解の際の具体的なプロセスが説明されています。
”読解へのアクセス” については
巻末に一覧で載っています。
本文解説は丁寧ですし、わりと詳しい解説になっていると思います。
それほど多くありませんが
ところどころに図示もされています。
もう少し、
問題文構成が図示されている部分が多いと
さらにわかりやすくなり
良いのになあとも思いました。
巻末には
語句索引もあります。
完璧に定着させたい語句です。
別冊の解答解説本については
設問の解説も濃く、丁寧です。
「なぜ、そうなるのか」が書かれています。
解くときのポイントは
”正解へのアクセス”としてまとめられています。
これは
別冊巻末に載っています。
配点については
50点満点で作られています。
使うべき人
事前準備(基本読解法修得)が完了している人
本書は現代文の完全初心者用のものではありません。
初心者にとっては
問題文や解説が難しいと感じることも多いでしょう。
また
基本的な読解方法が丁寧に示されているわけではありませんので
初心者は
現代文の基本読解方法を適した参考書で学習したのち
この「現代文アクセス基本編」を使って
その読解演習を行うと効果的だと思います。
たとえば
以前紹介した
これらの参考書を学習して
読解法を定着させたのち
本書での演習が適していると思います。
学習方法
解説の分析や解答アプローチが納得でき、プロセスが再現できるまで反復
現代文学習を基本どおりに行います。
自分の身につけてきた読解法を使って
問題を解いていきましょう。
その後
語句・キーワード確認、問題本文解説を熟読して
問題文の内容を理解し
意味段落ごとの要旨と
構成を確認しましょう。
図示もチラッチラッとあったりしますので
そちらも活用し
問題文の内容理解に力を入れます。
本書を学習するということは
まだ
現代文読解の経験が十分ではないはずです。
問題本文を “どのように読む” のか、
そこに重点を置いて学習すべき段階です。
別冊の設問解説も丁寧です。
大切なことは
解答に至るプロセスです。
正解するためのアプローチを
徹底して身につけます。
”正解へのアクセス” は良いまとめになっています。
反復が必要ですから
コピーして使用しましょう。
定着するまでには
何回か繰り返し解くことになります。
このような「ノート」も発売されています。
基本編の中から特に重要だと考えられる8題と
さらにオリジナル問題4題が収録されています。
設問には
要約問題、またはそれに準じたものが追加されています。
要約は学力強化を実現しますが
まだ「難しい~」「どうやればいいの?」と感じる段階だと思います。
できれば取り組めばよいですが
無理に解かなくても良いです。
「へえ~」「こうやるのか」程度で。
開発講座などで訓練したあとに
再び本書に戻り
要約問題を演習すれば問題ありません。
重要な語句や頻出のテーマは解説されていますが
さらにその分野を強化したい場合は
現代文キーワード読解を学習すると完璧です。
到達レベル
現代文読解の基本はOK!
本書は
あくまで ”演習本” です。
この本で読解法を学ぶというよりは
いままで身につけてきた読み方や解き方を
定着させるために使用するものです。
現代文読解の基本を学んだが
まだ十分な演習ができていない人が使用し
そして、
本書を完成させたとき
「基本的な現代文読解は大丈夫」と言っても良いでしょう。
ただし
入試本番で高得点がとれるところまで行くかというと
難しいです。
本書完了後もう一段階上位の学習をしてから
過去問演習等で演習を続けると
安定します。
目指すところや、現代文に使える学習時間など
条件を考えて学習方針を組み立てる必要はありますけれど。
読み方に重点が置かれた
丁寧な問題集です。
気に入ったら、上位の発展編や完成編も見てみると良いですね。
読み方に重点が置かれた
丁寧な問題集です。
紹介記事も書いていますので
以下を参考にしてみて下さい。
気に入ったら、上位の発展編や完成編も見てみると良いですね。
学習計画によりますが
塾でも
文系の演習用に「発展編」までは使うことが多いです。
ちょっと古いので、
そこは検討なのですが
読解の本質は変わりません。
良い演習本です。