みなさん、こんにちは。
本日紹介する問題集はこちらです。
この問題集は
以前紹介した “ハイクラステスト” の1ランク下のレベルの問題集です。
英語長文という点と英文レベルの点で、
けっこう
使いどころが難しいかもしれません。
でも、
中学生用の英語長文問題集は多くはありませんので貴重です。
それでは
内容や使う時期など
くわしく見ていきましょう。
どんな本なのか-内容・難易度
出版社:受験研究社
著 者:中学教育研究会
価 格:¥1,045
大きさ:B5版
発売日:2021年4月
厚 さ:本体-73ページ、解答解説-31ページ
色:2色刷り
音源はありません。
ハイクラステストの英語長文も同じなのですが、
今の時代
やはり音源は欲しいところです。
解答解説は別冊になっています。
それほど厚くはありません。
どちらかというと薄い教材です。
いろいろなテーマの英文が収録されているので
よい英文読解の訓練になると思います。
構成
第1章:読解のテクニック、第2章:ジャンル別対策と大きく分かれています。
最後に「高校入試総仕上げテスト」が2題あります。
第1章は、
スラッシュリーディングについてや
主語動詞に注意して読む、情報をつかみながら読むなど
5つの観点に分かれており、
英文読解を行う上で気を付けたい点のテーマごとの
練習問題になっています。
練習問題については、
各テーマセクションごと
3段階のステップ式になっています。
Step1(基本問題)の左ページに100~150語ほどの英文が掲載されています。
右ページには “読みの見える化” として
スラッシュで区切られて、カタマリごとの日本語訳やちょっとした文法解説、
欄外注には “重要点をつかもう” があり
文法の説明やテーマに対する解説が記載されています。
基本問題の次のページは
Step2(標準問題)になっています。
150~200語程度の英文です。
この Step2(標準問題)は
どのテーマセクションでも2題続きます。
1題目の問題の
右ページには数問の設問と
下部には “文法” と “絶対重要表現” が記載されています。
2題目の標準問題には
“文法” と “絶対重要表現” の記載はなく、
問題英文と設問のみとなっています。
次のStep3(実力問題)は、
300~500語ほどの英文読解の問題です。
数問の設問数で
空欄補充、内容一致、理由説明、整序などの問題になっています。
第2章のジャンル別対策についても
構成は同じです。
「会話文」「図表・グラフを扱った文」「説明文」と
3つのセクションで
それぞれに
基本問題、標準問題①②、実力問題があります。
最後は
高校入試総仕上げテスト(1)と(2)です。
(1)、(2)ともに
大問3題で構成されていて、
それぞれの設問は4、5問です。
設問が10問程度の大問もあります。
標準問題と実力問題には
目安となる解答時間の記載があり
だいたい15分~25分の設定です。
総仕上げテストは解答時間が
50分の設定になっています。
目次
問題数
英語長文の題材としては
第1章で20題、第2章で12題、
最後の高校入試総仕上げテスト(1)(2)で6題です。
設問数は
基本問題では、1,2問
標準問題では、3,4問が多いですが、6問程度の場合もあります。
実力問題では、5,6問のときが多いですね。
問題レベル
基本問題、標準問題、実力問題、高校入試総仕上げテストのすべてが
国立・公立高校の入試問題、または改変されたものです。
国立高校の入試問題は4題あります。
入試英文で構成されていますので
問題は
入試レベルになります。
設問も様々なものがあり
内容一致、空所補充、理由説明、短文作文、整序英作など
入試で出題される設問です。
基本問題は短いですが
標準問題や実力問題は
それなりに長い英文になっています。
難しくはありませんが
すべての問題が入試問題で構成されている
“入試” の標準レベルの問題です。
つまり
カンタンではありません。
詳しさ
解説は、
英文の日本語訳はすべて掲載されていますし
選択肢の日本語訳も載っています。
解答の解説があり、正解の根拠も示されています。
英文法の学習を終えた人が
理解するためには十分な解説だと思います。
解説内には
“誤りに気をつけよう” という箇所があり
覚えておくべきちょっとした知識や文法の説明があります。
中学生には役に立つ知識です。
本体にも
欄外注などに
文法や熟語などの Tips があり
知識の確認になると思います。
使うべき人は誰か
英文法がひと通り終わり、英文読解の訓練を行いたい人
本書は「英語長文」ですから
英文法の学習が終わった人が対象になります。
まだ十分に英文法の知識がない中学1年生や2年生は
本書の学習を効率的に進めることが難しいと思います。
しかも
全国の高校入試で構成されている問題集ですので
本書に取り組むためには
少なくとも
基本的な英単語や英文法の知識が必要となります。
英文法問題集が完了していれば
本書「中学英語長文 標準問題集」に取り組めると思います。
できれば
英文法学習後は
こちらを学習した方が底力がつくかなと思っています。
塾ではこちらを勧めています。
短文からスタートして
300程度の英文読解まで学習します。
ただ
こちらは、量が多いので
完成するまでに1~2ヵ月はかかります。
英文法の学習を終えて、
入試までに時間がそんなにない!
でも、
いきなり過去問演習に入れない!
短めの英文から学習スタートをさせて
入試レベルの語数と標準的な難度の英文読解まで高めたい!
1冊で高めたい!
みたいな人には
本書「中学英語長文 標準問題集」は良いと思います。
学習方法・使い方
使用する人の状況にもよるかと思いますが、
上に書いたように
使用者は
「英文法を終えて入試まで時間ない!まだ過去問できない!」という学習者が多いと思います。
まず
基本問題で
本書の指示どおり
英文のカタマリで読むような意識を植えつけて
標準問題を解いて
その後
解説の日本語訳を確認して
英文が正しく訳せるように復習します。
復習時は
きれいな英文で読みなおしたいので
書き込む場合は
コピーした英文や解答欄を使用します。
基本問題と標準問題だけを進めて
最後まで終わらせます。
基本問題と標準問題の英文が
スラスラと訳せるようになるまで反復します。
ここで重要なことは
設問がパーフェクトに解けるということよりも
“正しく英文が読める” ということを大切にします。
問題を解くという訓練は
過去問演習時にガッツリできます。
それなりに長い英文を正しく読める力をつけましょう。
基本問題と標準問題が終わったら
実力問題、総仕上げテストにも挑みましょう。
ここでも
「解く」よりも「読む」ことを重視して
反復します。
時間制限については
極端に意識しなくて構いません。
目安程度でよいと思います。
“15分” と書かれているのに
読んで解ききるまでに
2倍以上の時間がかかっても
問題ありません。
丁寧に読むことを重視します。
1冊の英文が
スラスラ読めるようになったら
過去問演習に進みます。
到達レベル
標準レベルの入試英語長文は読めるようになる!
本書学習後
過去問演習によって
読解力をさらに上げていけば良いでしょう。
制限時間内で問題を解く訓練を行いつつ
英文読解の練習を積み重ねて
読解力を向上させます。
本書だけでは難しいですが
本書学習後に過去問演習を行うことで
偏差値60程度のラインであれば
十分につかめるようになります。
そのまま
ゴリゴリ過去問演習を進めていけば
偏差値70ほどの
地域トップ公立高校にも
挑めるようになります。
もちろん本書だけでは
偏差値70ラインは遥か先なので
過去問演習を重厚に行う必要があります。
難関私立・国立高校に挑むのであれば
もう少し
応用発展レベルの学習を行ってから
ガツンと過去問演習の方が
無理がないですね。
中学英語長文の貴重な1冊です。
適切なタイミングで
適した学習者が取り組むと
効果的です。
公立高校入試問題で構成された
良質な問題集です!