みなさん、こんにちは。
本日紹介する問題集はこちらです。
高校入試用教材として
使用している人も多く、
有名な本です。
ただ
高校受験生のすべてが
本書の使用推奨対象者ではありません。
不要な場合も多いです。
その点は注意が必要です。
ただ、
収録問題が良くて
イイ本ではあります。
どんな人が対象者なのか、
内容はどうなのか、
など
詳しく見ていこうと思います!
どんな本なのか-内容・難易度
出版社:文英堂
著 者:森 圭示
価 格:¥2,200
大きさ:B5判
発売日:2016年7月
厚 さ:本体 224ページ、別冊(解答解説) 104ページ
色:2色刷り
そこそこ
厚いです。
「入試問題にチャレンジ!」の解答が
別冊になっています。
訂正内容は
著者運営ページに記載されています。
最近購入された場合は
すでに訂正されていると思います。
構成
塾で教わるような内容を
本書で学ぶことができます。
中学数学を100テーマに分けて定石を解説しています。
“塾技” を学ぶという観点で
本書は構成されているため
中学3年間の数学全範囲を網羅しているわけではありません。
過去問演習と並行して
サブ教材として
使用することになると思います。
学年とテーマ別にまとまっており
中3の内容が圧倒的に多い構成になっています。
目次を見ると
どのような割合になっているかわかります。
1テーマが
見開きで完結し
きれいにまとまっています。
まず 「塾技要点」で塾技の要点が記載されています。
問題への対応方針や公式・定理、
手順、解法、ポイント、工夫の仕方、
記憶すべきことなどが
載っています。
続いて「塾技解説」です。
ここでは
塾技についてわかりやすく説明しています。
注意点や間違いやすい点、意識すべきこと、
他の塾技との関連性、
入試での重要度、
例を表示して
塾技の使用方法が記載されていることもあります。
性質や定理の証明や理由が載っていたりと
塾技要点をフォローする内容になっています。
次に「例題」があり、
基本的な問題で
塾技を確認します。
そして
右ページに「入試問題をチェック!」があります。
入試問題または入試問題改題で
塾技を使用して
その解法を確認します。
「入試問題をチェック!」の次に
「入試問題にチャレンジ!」問題が掲載されています。
難度の比較的高い実際の入試問題を解くことで
塾技を定着させます。
ここの問題の解答は別冊にあります。
別冊解答には
問題も掲載されており、
「入試問題をチェック!」問題に関しては
別冊解答のみで学習可能です。
巻末には
「塾技の公式・性質の証明の補足」で
それぞれの箇所で説明しきれなかった
証明が掲載されています。
「例題付き公式集」では塾技本体で紹介できていなかった
公式を例題付きで記載されています。
目次
問題数
左ページの塾技を確認するための「例題」は
1テーマに対して、1題または2題です。
右ページ上段の「入試問題をチェック!」についても
1題、または2題の問題が収録されています。
右ページ下段の「入試問題にチャレンジ!」は
1題~4題の問題が収録されています。
著者運営ページで
「補充問題」が掲載されています。
比較的扱いの少なかった各都道府県の基本問題を含めた
難易度表示された補充問題と
最難関高校志望者のための難問補充問題、
さらに
国公私立高校の一行問題も掲載されています。
本書だけでも
350問以上も問題を収録していますが、
この “補充問題” に取り組むことで
さらに演習量を増やすことができます。
入試で最重要である、
関数問題と図形問題が多く
その分野の強化が図れます。
なお
証明問題は収録されていません。
問題レベル
各テーマの左側ページの “例題” は教科書レベルの問題、
または一般的な問題集の標準的なレベルの問題です。
入試では基本問題と判断されるような難度です。
難しくはありません。
右ページの “入試問題をチェック!” は、
国公私立入試問題が出題されています。
入試では標準問題と言われるレベルです。
難関高校やトップ公立高校を志望している場合は
正解必須の問題です。
右ページの下段、
“入試問題にチャレンジ!” は
標準的な問題もありますが、
結構難しい問題が掲載されています。
難関高校の過去問で
なかなか考えさせる問題ばかりです。
難しすぎるということはなく
上位高校合否の差を生む「良問」です。
少々、
つっこみ過ぎな内容にも
ときどき出会います。
詳しさ
1テーマが見開きで完結しており、
とてもきれいにまとまっていて
大変見やすい構成になっています。
塾技で使用する
公式の証明や定理の解説、
解法が成立する理由など
非常に重要な基礎を学ぶことができ、
単なる暗記で終わらないところが
とても好感が持てます。
問題の解説については
丁寧で
十分に理解できる説明になっています。
本書で
重厚な分野の関数や図形問題の
解説が非常に良く、
わかりやすく記載されています。
本書のテーマにより
仕方がありませんが
別解の紹介は少なく
最低限といった印象です。
使うべき人は誰か
基本解法を修得した難関私立高校志望者や公立トップ高校志望者
問題のレベルは
教科書レベルから掲載されていますが、
中学数学の範囲が網羅されているわけではありません。
基本的な解法を修得し、
難関高校の合否を左右する問題の対策のために使用する教材です。
“塾技” という名前ですが
裏ワザ的な内容が紹介されているわけではなく
より高い学力や得点を獲得するための
正統な問題集です。
収録されている問題は
難関「私立」高校の過去問が多いのですが
公立高校でも
独自問題を出題する難関都立高校や
難度の高い学校選択問題が準備されている府県の
高校入試対策にはとても適しています。
なお、
地方の公立高校志望者は本書不要です。
まったく必要ありません。
地方トップ公立高校志望だとしても
不要です。
過去に
実際にトップ公立高校志望者に
本書に取り組むように計画したことがあります。
「これ、なんか難しくて、やりにくいです。」
ということで使用を中止したことがあります。
その後
何も問題なくトップ高校に合格しました。
志望高校の偏差値が70前後であっても
地方公立高校の合格が目標であれば
本書は原則不要です。
ただ、
公立高校の数学入試で出題される
1問か、2問かの
「むむ!ん!?んー?これは、ん―?ん!?」
みたいな難しい問題を必ず解く!満点狙う!
という場合は本書に取り組むと
満点獲得の可能性が上がると思います。
学習方法・使い方
まず
基本解法が修得されている上で
本書を使用することが大切です。
この本のレベルは
完成されている必要があります。
つまり
本書に取り組む際の学力は
公立高校の過去問演習に進める段階にあるということです。
過去問演習を行いながら
強化すべき分野を
本書で学習していくという流れが良いと思います。
特に
図形分野と関数分野については
学習の価値があります。
結構、
重厚な問題が多いので、
自分のモノにできれば
かなりの学力アップは見込めます。
繰り返し学習して
定着させ
自由に使用できる知識にしましょう。
著者は「最低2回は反復しなさい」と言っていますが
4,5回は繰り返さないと
定着しないと思いますので
入試までの残り時間を考えて
本書に取り組むことが必要です。
知っていると楽に高速に解ける “技” もありますので
是非身につけたいですね。
到達レベル
難関私立高校や独自問題出題のトップ公立高校に挑める!
収録されている問題は難関私立高校の過去問が多く
マーチや関関同立の付属高校ぐらいの難関私立志望者には有用です。
過去問演習と並行しながら
強化すべき分野を学習すると効果的かと思います。
早稲田や慶應の付属高レベル以上になると
キツイかなという印象です。
一般的に
トップ私立高校に対応するためには
東京出版の問題集を使用する方が安全です。
公立高校志望者に
本書は原則不要ですが
都市部の独自問題や学校選択問題を
出題する高校を志望する場合は
本書の学習は適しています。
けっこう
ピッタリです。
都立国立、日比谷、西とか
ちょうど良いのではないでしょうか。
本書をはじめて手に取って
問題を見た時に
「これイイじゃん!」と思って
購入してから
もう10年以上経っています。
学習対象者が限られているので
本棚に眠っていることが多い問題集の1冊です。
正統派の問題集ですので
対象となる受験生は
是非取り組んでみると
効果は
大きいと思います!
好きな問題集です!