みなさん、こんにちは。
本日紹介する問題集はこちらです。
有名問題集ですね。
結構、使用する生徒も多いです。
本書はシリーズになっていて
他には
理系数学難関大編と文系数学があります。
この2冊を塾で使用することは
ほぼないですが
使用場面など、軽く触れてみたいと思います。
どんな本なのか-内容・難易度
本書は
2024年3月に新課程増補版として出版されました。
とは言っても
統計的な推測と確率(期待値)の問題が3題追加されただけなので
旧版とほぼ変わりません。
出版社:Z会出版
著 者:Z会編集部
価 格:¥1,100
大きさ:A5判
発売日:2024年3月
厚 さ:本体(解説編)-232ページ、別冊(問題編)-64ページ
色:2色刷り
一般的な問題集の厚みです。
構成
問題編では
3題を1回分として区切られています。
3題の中で1題目から3題目に進むにしたがって
問題レベルが上がります。
問題ごとに
レベルが記載されており
★1~★3のレベルになっています。
一番多いセクションは
微分法積分法(数学Ⅲ)の範囲で
3題×12回分となっています。
進度は
1日1回(3題)、または1日2回(6題) のペースを推奨しているようです。
学習者の学力レベルによりますが
なかなかの問題レベルなので
3題でも
結構時間はかかります。
解答するのに
およそ1時間ぐらいでしょうか。
解答編では
まず
その問題に対しての”考え方”が書かれています。
どのようにアプローチして
どう予測し
どんな方針で解答していくのかが示されています。
次に”解答”があります。
“別解”や”解説”も記載されていることもあり
解答を
より理解しやすくなっています。
“解答”の横、右側には
“Process”があります。
ここは問題の解き方の手順が示されており
どのように解き方を組み立て、
正答にたどり着くかが
端的にわかるようになっています。
そして
最後に”核心はココ!”という箇所になります。
ここで
問題を一般化・抽象化することで
パターンとして整理できます。
この”核心はココ!”を
ザザザッと見るだけでも
問題パターンを確認することができます。
知識整理のためにも
本書は
結構良いと思います。
目次
この
最後の3題が “増補版” の理由です。
問題数
旧版とほぼ変わりません。
全部で153題です。
第1章 | 数と式 集合と論理 | 3題 |
第2章 | 式と証明 方程式と不等式 | 6題 |
第3章 | 整数 | 6題 |
第4章 | 場合の数と確率 | 15題 |
第5章 | 図形と計量 平面図形 | 6題 |
第6章 | いろいろな関数 図形と方程式 | 21題 |
第7章 | 微分積分(数学Ⅱ) | 6題 |
第8章 | 数列 | 15題 |
第9章 | ベクトル | 15題 |
第10章 | 式と曲線 | 6題 |
第11章 | 複素数平面 | 6題 |
第12章 | 極限 | 9題 |
第13章 | 微分法積分法(数学Ⅲ) | 36題 |
補章 | 統計的な推測 期待値 | 3題 |
問題レベル
典型的な入試頻出問題が収録されています。
ほぼすべての問題が過去問です。
10題ほどが過去問の改題となっています。
レベルは
入試標準レベルから応用レベルです。
本書に記載がありますが
「理系であれば慣れておきたい」問題です。
有名なプラチカと比べると
問題自体はシンプルです。
シンプルですが
簡単ではありません。
数学の基礎学力に穴がると
本書に取り組むことは困難です。
★による問題レベルについて確認します。
★1の問題はカンタンではありませんが
基本解法の範疇です。
★2は、ちょっと難しくなります。
基本解法を使用して、試行して問題を解くことになります。
入試では標準的な典型問題です。
結構よく見る問題が多いです。
★3は、さらに難しくなります。
難しいですが、基本解法を修得する学習を丁寧に行ってきた人は
解けそうな印象をもちます。
実際に網羅系の問題集の”演習問題”?みたいなところに
載っています。
めちゃくちゃ複雑で難問!という問題ではありません。
ちょうど良いレベルで思考することになります。
基本解法を修得した人は
★1は解けます。
解けないとピンチです。
解けない場合は解法修得の学習のやり直しですね。
★2も解けます。
解けますが、唸りながら解くと思います。
解けない問題も出てきます。
★3は
さらりと解ける問題ではありませんが
試行錯誤しながら解答していくことになると思います。
有名な問題もたくさん載っていますので
まじめに数学の学習をしてきた人は
知っている問題に出会うかもしれません。
どのようにアプローチするのかということを
問われるような問題レベルです。
ズバッと「覚えた解法の当てはめ」で、正当に至るには苦しい問題です。
詳しさ
解答解説は理解するために十分です。
本書の使用目的は
基本解法を使って
組み立てて
どのように入試レベルの問題を解いていくのかを
訓練することにあります。
基本解法が修得されているということが
前提の問題集ですので
その前提をクリアした学習者であれば
十分に丁寧な解答解説になっていると感じるはずです。
図や計算過程も
適切な学習者にとっては
十分です。
使うべき人は誰か
基本解法を修得し、入試標準~応用レベルを訓練したい難関大志望者
本書の使用は
基本解法の修得が前提です。
さらに
志望大学が
一般的に言われる
「難関大」であるということが条件です。
旧帝大、東京工業大学、早慶といったところでしょうか。
それから医学科ですね。
そのような大学を志望している理系は
本書の学習が適しています。
筑波大志望とか
神戸大志望とか
数学の学習が盛り上がっちゃって
「核心やります!!」みたいなのは
なんか
いろいろ
こじらせてます。
無意味とは言いませんが
他にやるべきことがあるはずです。
本書不要です。
過去問をやってください。
北大や九大は
本書を学習しなくても
合格に到達すると思います。
ただ、
ときどき
難しくなることもありますので
本書までを仕上げておくと
万全です。
私立大で
必要とするところは
早慶大ぐらいだと思います。
MARCHクラス志望者は
完全に不要です。
本書については
ほぼすべてが入試過去問です。
基本解法をそのまま使って解く問題が載っているわけではありません。
問題をどのように解釈して
どんな方針で解くのか
何を使って解くのか
そんな
「試行」する段階の問題集です。
問題集に取り組む前提として
その “道具” である基本解法は自由に引き出せる状態になければいけません。
このレベルは
必須ですし、
これらを仕上げていたとしても
本書の問題は
ぜんぜん解けないと思います。
できれば
以下の標準問題精講まで仕上げてから
本書の学習に入るとイイですね。
精緻されます。
標準問題精講ⅢCの微積は
めちゃくちゃ気合が入っているので
本書と問題レベルが
逆転するようなこともありますが
本書を学習することで
標準問題精講ⅢCの問題に対する
整理ができると思います。
このシリーズを学習してきた人は
完成後に
本書学習に挑んでも良いと思います。
“チャート式”や”NEW ACTION LEGEND”、”FocusGold” など
網羅系を使用してきた人にとっても
次に学習する問題集としては
本書がちょうど良いと思います。
文系の大学志望者は
網羅系などで基本解法を修得し
仕上げているのであれば
過去問演習に進めます。
過去問演習で鍛錬すれば良いのです。
そうなると
これを使用する場面があまりありません。
東大志望や一橋大志望ぐらいでしょうか。
これらの大学志望者は
別の試行系演習本を好むので
この「文系数学核心」に取り組むことは少ない印象です。
京大文系志望であれば
これに取り組めば良いですし。
使用するシナリオが少ないですね。
この難関大編は難しいです。
問題が難しくて使う場面がありません。
問題集が
過去問演習につなげるためのアイテムであるという観点から
使用場面が難しい本です。
最高峰の医学部を志望していて
過去問演習前に
時間があるのであればやっても良いと思います。
東大合格者で
本書を学習していた生徒がいましたが
役に立ったのか
ちょっと謎です。
核心”標準編”は
難関大志望者の試行訓練には良い問題集です。
基本解法の修得を終えた人には
適切なレベルです。
学習方法・使い方
この問題集は
解法を暗記するために取り組むものではありません。
修得した “道具” をどのように入試問題で使うのかを
試行する訓練問題集です。
ということで
「問題見て、わからないから、解答見ましょ、理解して覚えましょ。」
では
本書に取り組む意味は激減します。
難関大学の入試問題において
何が難しいかというと
その問題に対して
どのようにアプローチして解答まで至るのか
その方針を決定することが難しいのです。
わからなくて
解答を見たところで
解法を修得しているのであれば
その解答には
知っている解法が書かれているだけです。
試行する訓練を
この問題集で行いましょう。
ただひたすら
考えても
時間ばかりを使うだけなので
時間制限を設けましょう。
一応
本書では
★1:目標解答時間 15分
★2:目標解答時間 25分
★3:目標解答時間 35分
と設定されています。
たしかに
ちょうど良い目標時間です。
この時間を目安に
解答で確認するようにするとイイですね。
本書の利用法では
1日で1回分、または2回分進めることを推奨しているようです。
3題×50回分あるので
推奨ペースで進めると
仕上げるまでは
半年はかからないとしても
3、4ヶ月かかります。
解法をインプットするという過程ではないので
短縮して
突き進むという学習法は採用できません。
時間を確保して
じっくり取り組みましょう。
本書の解説がどうしても合わない場合は
以前紹介した「マスト160題」が良いです!
問題数は同程度で
このレベルの問題集の中では
解説が圧倒的に丁寧です。
どちらか
自分に合っている方を選んで学習ですね。
「核心」の方が問題レベルは少し上ですが
まあ
似たようなものなので
どちらかを学習して
その後は
過去問演習で
ゴリゴリ問題演習をしていきます。
到達レベル
旧帝大、東工大、医学科に対応できるようになる!
本書を学習して
その後
過去問演習でムキムキに鍛えれば
日本の
ほぼすべての大学に対応できるようになると思います。
東大志望は
できれば
1ランク上の問題レベルが収録されている問題集で
訓練した方が
過去問との乖離が少なくて
過去問演習ショックが抑えられます。
東大は
難しいので
どんな問題集をやっても
過去問演習時に
少なからず
ショックは受けます。
それが普通です。
自分のすべきことをやっていきましょう。
京大については
これがありますので
こっちを学習した方が良いですが
核心でも大丈夫です。
核心やって
ゴリゴリ過去問演習ですね。
それ以外は
東京工業大学、医学科も含め
核心で問題ありません。
可能な限り
はやく
志望大学の
過去問演習の段階に進むことが
重要です。
問題集の学習だけで
「よし!入試本番!」であるのならば
核心では心許ないところですが
過去問演習という次の段階の学習があるのですから
核心で
ほぼすべての大学に対応可能であると言えます。
さすが
ずーーっとヒットしている問題集です。
本書を仕上げて
志望大学や他大学の
過去問演習で
入試本番で得点を獲得するための
学習を進めましょうー!
入試問題の標準から応用問題を収録している問題集で
よく見る問題がたくさん載っています。
典型頻出問題ですので
丁寧に仕上げて
完璧にして
過去問演習に挑みましょう!
本書を突破すれば
多くの人は
あとは
「過去問演習」という最後の段階に突入です!!