「上級現代文」最高峰の1冊!東大京大志望者のための問題集!レベルや内容、問題数は?改訂版との違いは?難しいが、良質な問題集です!

みなさん、こんにちは。
本日紹介する問題集はこちらです。


現代文の問題集としては
最終段階に使用するものです。

上級現代文Ⅰについては
2023年に改訂されています。

良い問題集です。

「Ⅱ」もありますね。


上級現代文Ⅰに関して
詳しく解説していきます。

上級現代文Ⅱについては
その必要性について
軽く触れ、
見解を述べる程度にします。


どんな本なのか-内容・難易度

上級現代文「Ⅰ」は2023年に改訂されています。

前回から
大幅な変更はありませが、
問題の1~2割ほどが入れ替わっています。

出版社:桐原書店
著 者:晴山亨・立川芳雄・菊川智子・川野一幸
価 格:\1,485
大きさ:B5判
発売日:2023/10/20
厚 さ:408ページ 
(問題冊子-128ページ、解説本体-224ページ、解答欄冊子-56ページ)
色:2色刷り

改訂版 と 改訂前


改訂されて
ちょっと
厚くなりました。

しかも B5 判なので
そこそこ大きいですし。

問題冊子、解説本体、解答欄冊子の3分冊は以前と変わりません。
改訂版の方が表紙が厚くなって
少し高級感があります。


この解答欄冊子は
けっこう使えます!
コピーして使うと便利です。

構成

本書は記述問題を以下のように
4つのカテゴリーに分けて
12の出題パターンに分類して学習する構成になっています。

カテゴリー1 「言い換え」
1.傍線部中の指示語を言い換える
2.傍線部を本文の言葉で説明する
3.傍線部中の複数の要素を言い換える

カテゴリー2 「内容説明」
1.物事のつながりを説明する
2.物事の違いを説明する
3.条件指定のある要約

カテゴリー3 「理由説明」
1.因果関係を説明する
2.意味内容を説明する
3.条件指定のない要約

カテゴリー4 「表現」(小説)
1.具体的な事実を盛り込んだ説明をする
2.本文に書かれていないことを説明する
3.傍線部中の独特な表現を言い換える

問題文は
それぞれのパターンごとに
例題、実践問題1、実践問題2 の3題が収録されています。


解説本体では
最初に
出題パターンの解説が記載されています。




次に
例題の解答解説があり
実践問題1と2の解説になっています。


実践問題の解説では
「本文について」と「設問について」で分かれています。

「本文について」では
本文構造図、百字要約、段落要旨、本文解説と
本文理解のための解説が記載されています。
さらに
発展、参考図書、筆者紹介、記述上達への一歩と続き
本文をさらに深く考え、
思索するためのヒントが示されています。




「設問について」では
解答と設問解説があり、
そのあとの「セルフチェック」のところでは
記述問題の解答をより良くするための
説明が記載されています。





セルフチェックでは
模範解答や採点基準があり
“採点シミュレーション” で
解答例の採点が行われています。
採点者の視点を得ることができます。




評論文だけでなく
「表現」のセクションでは
小説問題を扱っています。

目次

問題数

全 38 題です。

12の出題パターンがあり
例題、実践問題1、2の各3題のため
合わせて 36 題です。

最後に
総合問題が2題ありますので

問題は
全部で
38 題ということになります。

これは
問題数としては
かなり多いです。

すべての問題が記述問題であり
実際の入試問題を意識した問題構成のため
本書に取り組むとなると
時間がどうしてもかかってしまいます。


旧版と改訂版では
6題の問題が入れ替わっており

改訂版では
最後に
総合問題が2題追加されています。

ただ
全体的に
大きな変更ありません。

解答解説についても
基本的に変化はありません。


問題レベル

難しいです。

でも
選題が良く

適切なレベルの学習者が
取り組むのに値する問題集です。

オリジナルの問題が3題収録されていますが
その他の問題は
東京大学、京都大学、一橋大学をはじめとする
難関大学の入試問題を改変して作成してあります。

詳しさ

設問解説は
非常に詳しいです。

細かいです。

問題については
大きく分けて
内容説明問題、理由説明問題、要約問題、小説問題を扱っていて、


内容説明問題の解答方法については
非常に詳細です。
ここだけでも
読む価値アリ!です。

これまでに
解答法について学んできた人にも
有効な説明内容になっています。


理由説明問題の解法については
内容説明問題の解法に比べて
少し「ん??」みたいなこともあります。

内容説明問題の解法が
なかなか優れているので
比較すると若干劣る感じがしてしまいます。

理由説明問題の解答方法自体は
“最強の現代文” とほぼ同じ考え方です。

“二つの図式と四つの定理” との解法とは
少し異なっています。
本書を学習できるレベルであれば
適宜使い分けていけば問題ないでしょう。


記述解答の説明では
採点基準が分かりやすく
自己採点がとてもしやすくなっています。

模範解答は要素に分解されており
要素ごとに基準の記載があり
要素の過不足で採点ができます。

さらに
問題によっては
「セルフチェック」の箇所にて
複数の “解答例” に対して採点シミュレーションが行われています。
どこで得点を落とすことになるのか
分析されていて

自己採点の判断と
記述解答の要素への意識を目覚めさせます。

採点根拠も説明されており
納得感があります。


注意すべきこととしては

設問に対する説明は
大変きめ細かいのですが
読むことに関する方法への記載はありません。

構造図、百字要約、段落要旨、本文解説とありますが、
本文の読み方については解説されていません。


使うべき人は誰か

最難関大学を志望し、記述解答の完成度を高めたい人

まず、本書は最難関大学志望者以外不要です。

おそらく
東京大学、京都大学、一橋大学を志望する人が対象です。
大阪大学も場合によっては対象になるかもしれません。

ちょっと
状況によりますね。

あとは
志望学部によって
早稲田大学も、でしょうか。

早大志望については
本書に取り組むべきかどうか
あやしい位置にいますが、


対象大学以外の
他大学を志望している人は
本書を学習するならば
他科目の学力強化であったり
過去問演習を行うほうが合格の可能性はあがります。

実際に
本書を学習しなくても
最難関大学と言われる大学に合格しています。

以下の問題集で
読解方法、記述解法を修得した人が
さらに
この問題集で
精度を上げたい場合に、
しかも
時間的な余裕があるならば

取り組むと良いです。

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時間的に余裕があって
過去問演習前に
今まで学んできた解法を
本書で
“研ぎ澄ます!” という方は
学習すると効果的です。




学習方法・使い方

本書を取り組む段階にいるということは
最難関大学の過去問演習に進める段階にあるということです。
つまり
現代文の読み方、解き方、記述法について
少なからず訓練されており
ある程度の学力には到達しているはずです。

まずは
問題を解いて
現時点での記述答案を作成しましょう。

その後は
パターン解説を読み
設問解説を確認し
本書の詳細な採点解説によって
自身の記述答案を採点して
丁寧に過不足を確認しましょう。

記述答案は
本来
第三者に採点してもらうべきですが

本書では
自身の記述解答を
客観的に採点することが可能です。

当然
複数回繰り返す必要がありますので
問題文や解答冊子をコピーして
使用する方がよいと思います。

要約問題と小説問題については
志望大学の入試で
出題されるのであれば
学習しておくべきでしょう。

一般的には
上級現代文Ⅰは国公立大学の記述対策用、
上級現代文Ⅱは東大や京大をはじめとする
最難関大学対策用と言われています。


「Ⅰ」が終わったら
思考停止で「Ⅱ」に進むというのは
良くありません。

東大志望であるとしても
上級現代文Ⅰを学習した後は
まずは
過去問演習タームに入るべきでしょう。

本当にめっちゃくちゃ
上級現代文Ⅰを気に入ってしまった人は
上級現代文Ⅱを学習すれば良いと思います。


「Ⅱ」についても
難しいですし、
問題量もあります。

上級現代文Ⅱに取り組むことで
志望大学の過去問の演習を
十分にできないのであれば
本末転倒です。

柔軟に方針を立てるべきですね。


塾では
「Ⅱ」に取り組む時間的な余裕のある場合が
ほぼないので
「Ⅱ」に取り組ませたことはありません。





上級現代文Ⅱは
2011年発売です。

演習問題12題、模擬試験8題です。
最難関大学対策としての演習教材です。

到達レベル

最難関大学の現代文入試に対応可能となる

何度か書いていますが
本書を学習しなくても東京大学には合格します。

逆に
本書を学習しても
東京大学や京都大学に不合格となることもあるでしょう。

高3時に上級現代文Ⅰを学習して
京大不合格、
一年間浪人して
浪人中は上級現代文Ⅰに触れることなく
過去問演習を繰り返し
無事京都大学に合格し進学していくということがありました。

重要なことは
「過去問」で
自分の読解を錬磨するということです。

すべては
そのための参考書問題集学習です。


ゴリゴリの過去問演習の前に
今まで身につけた
読み方、解き方、記述方法を
詳細な解説で確認しながら
「研ぎ澄ます!」
という場合は
本書は適役です。

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知的好奇心をつつく問題、
詳細な解説、
補足説明の充実ぶり、

取り組む価値は
十分にあります。



入試までの時間と他科目の学習状況や得点のバランスを考えて
本書に取り組むか考えましょう~!









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