みなさん、こんにちは。
本日紹介する問題集はこちらです。
有名な問題集です。
ⅠAからⅢCまで出版されていて、
新課程、旧課程とあります。
ⅠA、ⅡB、ⅢC のそれぞれの著者が違って
各冊で雰囲気も少し違うので
今回はⅠAの紹介をしようと思います。
そんなに生徒に使わせることがないんですけど
良い本ですよ。
どんな本なのか
出版社:旺文社
著 者:麻生雅久
価 格:\1,430 (旧課程)、\1,540 (新課程)
大きさ:A5判
発売日:旧課程 2020年7月9日、新課程 2022年7月14日
厚 さ:およそ320ページ(問題解答一体型)
カラー:2色刷り
ⅠAはそれほど厚くありません。
ⅡB、ⅢC は結構厚めです。
構成
構成は統一されています。
1つのテーマについて、
見開きで終わることもあれば
3ページほどで構成されていることもあります。
以下の項目で流れます。
1. 標問:典型的な入試問題を選定
2. 精講:問題を解くにあたって必要な知識と着眼点
3. 解法のプロセス:問題を解くためのフロー
4. 解答:模範解答、補充説明
5. 研究・参考:掘り下げ解説、別視点・別解、公式証明、発展的思考法
6. 演習問題:標問の類題、1~3題ほど
目次
第1章 数と式
第2章 2次関数
第3章 整数の性質
第4章 図形と計量
第5章 順列と組合せ
第6章 確率
第7章 論理
第8章 図形の性質
第9章 データの分析
第10章 総合問題
問題数
改訂によって問題数は変わりますが
三訂版(旧課程)の問題数を記載します。
全問題数:119題
数と式:11題
二次関数:18題
整数の性質:13題
図形と計量:14題
順列と組合せ:18題
確率:16題
論理:16題
図形の性質:7題
データの分析:8題
総合問題:10題
以上が標問の問題数です。
これに演習問題が各標問についていますので
×2 の問題数になります。
ちなみに
新課程四訂版は
全問題数124題(標問)となっており
問題数が増えています。
問題レベル
“標準” というのは、入試レベルの標準ということです。
教科書レベルの「解法をそのままつかえばイケるぜ」問題とは
かなり違います。
端的にいって
それなりに ”重い” 問題が集まっています。
おそらく
なかなか解けないでしょう。
難易度の差も問題ごとに
それなりにあります。
でも
選題がとても良いです。
収録されているほとんどの問題が
国公立大学二次試験、私立大学一般試験からの問題です。
気合を入れて取り組むべき問題レベルです。
”標問はムズイ” とよく言われていますが
ⅠAに関していえば
段階を踏んで、本書に取り組めば問題なく使用できます。
問題を厳選して
入試基礎から標準レベルの解法体験ができる
かなり質の高い問題集です。
気を付けなければいけないことは
「この種類の問題でこんなに難しい問題でるかな?」
というようなものにときどき出会います。
若干難易度が上下することがありますが、
それを含めて
数学パワーを高める良い問題集だと思います。
ⅡB、Ⅲについての記事もあるので
興味ある方はどうぞ~
こっちは
ⅠA よりも難しいです。
詳しさ
麻生先生の参考書は
僕も高校生の時に使っていました。
丁寧でわかりやすいです。
原則、オーソドックスです。
トリッキーなものは見受けられません。
クセがなく
問題選定がかなり良いので
仕上げると
かなりのパワーアップが達成できていると思います。
場合の数、確率の単元は
めちゃめちゃ良いです!!
読みながら
「おおおお~~!!」ってなります。
麻生先生さすがです。
各標問の解説に比べて
演習問題の解答は簡素です。
演習問題の解答解説は
巻末にあるのですが
切り離しすることができません。
ただし、
旺文社のホームページに
演習問題の解答PDFが公開されています。
ここを利用すると良いですね!
使うべき人は誰か
基本解法を修得し、入試過去問で演習できる人
再度言いますが
これは
入試レベル問題の “標準” です。
つまり
簡単ではありません。
それなりに難しいのです。
この本に取り組めて
本書利用が有効な人は
教科書レベルの例題、練習問題、章末問題がクリアできていて
その訓練も十分な人、
入試の基本レベル問題も解けるというレベルの人に価値ある一冊です。
このレベルの人は
過去問演習でゴリゴリ押していく学習でも良いですし、
効率的だと思います。
指導する際に
受験までの期間を考えて
その作戦で学習計画を立てる場合が多いです。
ただ
過去問演習ゴリゴリ演習できますよ、という段階の人が
効率よく
入試の標準的な問題を経験し、ある程度網羅するには
本書は効果的です。
骨のある問題ばかりで
選題もかなり良いので
力はかなりつきます。
「標準問題精講って、ムズイよねぇ~」ってよく言われますが、
ⅠAに限って言えば
基礎問題精講の次に
なんとか使用することができます。
こちらの問題集でも良いですね、
標準問題精講に挑戦できるようになります。
入試までの時間を考えて、
取り組むかどうか考えるべきです。
一般の大学であれば
原則、本書不要です。
過去問ゴリゴリ系のほうが良いです。
旧帝大、早慶レベルの大学を志望していて
過去問演習までに
少し時間的に余裕があるのであれば
標準問題精講で入試典型問題の確認をしておくと
過去問演習時に
落としてはいけない問題が明確になりますし
解けるようになっています。
早慶や、北大、九大あたりであれば
本書学習で
なんとか
合格ラインを目指せます。
もちろん本書学習後
過去問演習ゴリゴリ必須です。
一方で
医学科や最難関大学に対しては
若干心許ないレベルです。
ただ
入試レベル問題において
落としてはいけない問題を確認するという意味では
学習価値はあります。
「入試基本問題の学習は終えたけど、
標準問題精講は難しくて、ぜんぜん進まない~!
もう少し解説の丁寧な問題集が良いーー!!」
ということも結構あります。
そんな時は
この「理系数学マスト160題」が良いです。
おそらく
同レベルの問題集の中では
最も丁寧な解説だと思います。
学習方法
入試問題において
何が難しいかというと
いろいろな考え方、解法が融合されていて
それを紐解き
正しい順でほぐしていく必要があります。
つまり、
それを見極めることが
難しいのです。
問題に対して
どうアプローチするのかということです。
数で押して
経験値を高めていくことも大切ですが
学習する時間は限られており
数学だけを学習するわけにもいきません。
効率よく
どのような視点で
問題を見るべきなのかを
学び、修得する必要があります。
そのような観点から
問題に対する視点の記載のある
「精講」
そして
どのような順で解いていくべきなのかを確認する
「解法のプロセス」
の項目は本書にとって肝です。
問題解くことや解答を入力することも
重要ですが、
本書の「精講」「解法のプロセス」を徹底的に理解し、定着させて
自分の技として修得することが非常に重要になります。
演習時に利用、応用できるように
徹底的に身につけるのです。
難関大学では
問題に対するアプローチが難しいので
その点の助けになることは間違いありません。
到達レベル
旧帝大、早慶大を突破する!医学科はギリギリライン
本書を仕上げると
旧帝大、早慶大といった
いわゆる難関大の過去問演習に
ドドーンと取り組めます。
過去問演習を重ねると
合格ラインをなんとか突破するようになります。
本書を学習しなくても
入試基本レベル問題を解いた後で
過去問演習で鍛錬すれば
北大、九大あたりは突破できます。
でも、
標準問題精講で学習した後の方が
安定した得点になるでしょう。
最難関と言われる大学にたいしては
少し苦しいかもしれません。
各大学の過去問を上手に使用して
過去問演習をすれば
何も問題ないのですが、
過去問の使い方をよく知らない場合は
問題集で
レベルアップを目指すので
「標準問題精講で学習して、学力高めて、京大行くぜぇ」
っていうのはちょっと厳しいかもしれません。
大学によっては、医学科も同様ですね。
純粋に
問題レベルを考えると
最難関大学、最難関学部は
ちょっと足りないかなぁというレベルです。
文系なら
過去問演習で鍛えれば
到達しそうですけどね。
少し心許ない感じはあります。
まあ、
逆に言うと、
本書を仕上げると
日本の
大部分の大学入試に対応できる学力になるということです。
とりあえず
ⅠAの分野は、ってことですけど。
到達ラインは
ⅡBも、ⅢC も
そんなに変わりませんが
ⅡB やⅢC の標準問題精講の方が難しいです。
新課程バージョン!
旧課程バージョンはこちら
学力アップは間違いないです。
選題もかなり良いです。
クセも少なく、
入試典型問題の
演習本を探している人には
オススメ問題集です!!
それなりのレベルの問題なので
その点は覚悟して取り組んでください。