「数学ⅡB 標準問題精講」やっぱり難しい!本当の問題レベルや解説の詳しさ、問題数と使い方を解説!医学部到達する!?

みなさん、こんにちは。
本日紹介する問題集はこちらです。


前回に引きつづき
標準問題精講です。

今回は数学ⅡBです。
この数学のシリーズは著者がⅠAとⅡBとⅢC で違うため
問題集の難易度も違うと言われています。

このあたりも含め
この問題集が本当はどのようなレベルで、
対象は誰なのか確認していきたいと思います。

塾の指導では
使用する機会が少ないのですが、
いろいろと言われているほど悪い問題集ではありません。

端的に言って
良い問題集です!



どんな本なのか

最新版は四訂版です。

出版社:旺文社
著 者:亀田隆
価 格:\1,760
大きさ:A5判
発売日:2023/7/14
厚 さ:496ページ(問題解答一体型)
カラー:2色


結構厚いです。
ⅠAに比べると問題数も多くなっていますし
解説に割くページ数も多く
どうしても厚くなります。

それでもチャートなどの網羅性参考書よりはコンパクトです。

構成

標問としての問題があり、精講、解法プロセス、解答という流れになっています。

解答のあとに研究、そして類題の演習問題が掲載されています。

ⅠAと同じ構成です。

1. 標問:典型的な入試問題を選定
2. 精講:問題を解くにあたって必要な知識と着眼点
3. 解法のプロセス:問題を解くためのフロー
4. 解答:模範解答、補充説明
5. 研究・参考:掘り下げ解説、別視点・別解、公式証明、発展的思考法
6. 演習問題:標問の類題、1~3題ほど

レイアウトは綺麗です。

目次

第1章 式と証明
第2章 複素数と方程式
第3章 図形と方程式
第4章 三角関数
第5章 指数関数・指数関数
第6章 微分法とその応用
第7章 積分法とその応用
第8章 数列
第9章 統計的な推測
第10章 ベクトル
第11章 総合問題

本書のラスト80ページほどは演習問題の解答になっています。

問題数

分野問題数
第1章式と証明18題
第2章複素数と方程式12題
第3章図形と方程式33題
第4章三角関数21題
第5章指数関数・対数関数6題
第6章微分法とその応用20題
第7章積分法とその応用16題
第8章数列21題
第9章統計的な推測13題
第10章ベクトル18題
第11章総合問題5題

標問は全183題、
演習問題は全176題となっています。

問題レベル

入試頻出の定石問題であり、良問です。
ⅠAと同様に “標準” というのは、入試レベルの標準ということです。
ほとんどの標問が国公立大2次、私立大一般入試の問題です。

つまり
教科書レベルの練習問題が解けるからといって
この問題集に挑戦できるかというと
そうではありません。

かなり手強いと感じる問題も収録されています。

数学の標準問題精講シリーズでも最高の難度かもしれません。
(Ⅲもムズムズ!!です)

間違いなくⅠAよりは難しくなっています。
重量級です。

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詳しさ

解説の中には説明の飛躍を感じ、理解しにくく、
解説が難しいなあと感じることがあるかもしれません。
「もう少し解説してくれ~!」と感じることも多々あります。

計算のテクニカルな解説もありますが、
途中計算のない問題もあります。


しかし、
そのような点をマイナスと考えても
良い問題集です。

解説については
この問題集を「難しい」と評する一要因になっていますが、
この問題集にチャレンジできるレベルの人にとっては
理解するためのギリギリの解答ではあると思います。

でも、
やはり
解説が読み取りにくいところもあります。
近くに質問できる指導者がいるほうが安心です。

「精講」では
定石問題を解くための定番の方針が示されており
かならず
知っておくべき内容です。

そして「研究」は重厚です。
大変勉強になります。
問題や考え方の背景への理解が丁寧に記載されています。
解法の暗記から脱却し
理解を伴う解答に近づくことができます。

問題自体は
オーソドックスな定番問題です。
“入試レベル” においてですが。

ただ、少し理系っぽいです、
問題の選定が。

このシリーズに共通していますが
珍しい問題や
原理寄りの問題が収録されています。
それらの問題に出会うと
「ん?なんだ?」と思うかもしれません。


演習問題の解答はⅠA同様最低限です。
別解も示されていますが、
ほぼ略解だと考えてもらってよいと思います。
独学だと
結構厳しいと感じる解答になっています。



ホームページに演習問題の解答PDFが公開されています。

旺文社オフィシャルサイト
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これを利用すると便利です。

使うべき人は誰か

基本解法を修得し、入試過去問で演習できる人

ⅠAと同様で、
入力用の問題集というよりも演習用教材として使用した方が良いと思います。
ある程度の学力がないと
演習用教材としての利用価値がないですし、
問題の解説理解にもとても苦戦します。

「北大とか九大とかの過去問演習で訓練していきましょうー」っていう段階の人には
レベル的にちょうど良いのではないでしょうか。

過去問で定番良問を探すのが
ちょっと面倒なので
「定石問題がまとまっている問題集どれ?」というのであれば
本書が適していると言えます。

言い方を変えると
使用タイミングが難しいかもしれません。

旺文社の基礎問題精講を完成させた後に使うことはできません。
レベルが乖離していて
おそらく挫折します。

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スムーズな接続はできませんね。

マセマの問題集とか
文系の数学 重要事項完全習得などを学習して
「北大過去問演習して学力上げようと思ってます!!」
というレベルの人じゃないとキツイですね。

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最低でも
このあたりの問題集をスラスラ状態にして
取り組まないと効率が悪いですね。

学習方法

演習用に使用します。
アウトプット用です。

定番問題の収録ではありますが、
演習のための教材として使用する方が効果的です。

解いて
解答確認、
必要であれば
「精講」「解法プロセス」のチェックをして、
「研究」で理解を深めます。

知識入力用として使用すると
効率的ではないので
別の教材を使用する方が良いと思います。

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入力用なら、
こちらの方がいいかもしれませんね。

この本もなかなか難しいです。
ただ、
標準問題精講よりも解説が詳しくて挫折の確率が減るはずです。


標準問題精講ⅡBは

一般的な模試で偏差値60程度の人が
過去問演習ではなくて
もう少し解説がある問題集で演習するために用いる教材であると考えるべきだと思っています。


強化したい
分野ごとの演習に使うっていう使用方法もありだと思います。



やはり標準問題精講は使用するタイミングが難しいということです。

到達レベル

旧帝大、早慶大を突破する!医学科は合格ライン

ⅠAと評価は変わりません。
使用に適した人が本書を学習すると、
学力はグワっとあがります。

解説はまあ、まあ、まあって感じですが
問題選定が良いので
仕上げるとかなり学力が高くなります。
一般模試で
偏差値70程度になっているはずです。

つまり
本書を仕上げると
数学において
”万能感” を感じ始めます。

最難関大学、最難関学部には不足しますが
それらの一部を除くと
十分に対応できる学力がつきます。

過去問演習で鍛えて
挑んじゃってください!

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「ええええーー?ナニコレ?どうしてこうなる??」と頭を抱えることがあるかもしれません。
でも
本書を修得すると
数学が一段階飛躍したことに気づきます。

結構好きな教材です。

生徒に使わせるタイミングが難しくて
あまり
この本で学習させていないですけれど。

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