みなさん、こんにちは。
今回紹介する問題集は
東進ブックス「大岩のいちばんはじめの英文法 超基礎文法編」です。
大岩先生は東進ハイスクールの英語講師です。
シリーズで
「大岩のいちばんはじめの英文法 英語長文編」も発売されています。
今回は基本英文法を確認する「超基礎文法編」を見ていきます。
用途が正しければ大変良い本です。
どんな本なのか
出版社:東進ブックス
著 者:大岩 秀樹
価 格:¥1,100
大きさ:A5判
発売日:2014年2月25日
厚 さ:230ページ
色:カラー
そんなに厚くはありません。
音源はついていませんが
アプリ「東進ブックス」から購入できるようです。
構成
目次
第1章 | |||||
第0講 | 第1講 | 第2講 | 第3講 | 第4講 | 第5講 |
品詞 | 動詞1 | 動詞2 | 基本5文型 | 時制1 | 時制2 |
第6講 | 第7講 | 第8講 | 第9講 | 第10講 | |
助動詞1 | 助動詞2 | 受動態 | 疑問詞と疑問文 | 命令文・感嘆文 | |
第2章 | |||||
第11講 | 第12講 | 第13講 | 第14講 | 第15講 | 第16講 |
不定詞1 | 不定詞2 | 不定詞3 | 動名詞 | 分詞1 | 分詞2 |
第17講 | 第18講 | 第19講 | 第20講 | 第21講 | |
分詞構文1 | 分詞構文2 | 関係代名詞1 | 関係代名詞2 | 関係副詞 | |
第3章 | |||||
第22講 | 第23講 | 第24講 | 第25講 | 巻末資料 | 索引 |
比較1 | 比較2 | 仮定法1 | 仮定法2 |
第0講~第25講の全26講となっています。
特別講義が途中2箇所に入っています。
0講前に語順についてと
第2章最後に形容詞についての解説が詳しく載っています。
内容
「講義」→「CHECK問題」「解答・解説」を繰り返します。
章の終わりに「総まとめ」
巻末に「巻末資料」と「索引」という構成です。
カラフルに色使いがされており
これによってSVOCが視覚的に確認ができるようになっています。
青:主語
桃:動詞
黄:目的語
緑:補語
SVOCと書かれていれば最高なんですけど、書かれていません。
文字ではなく色で把握できるようになっています。
文法説明は
口語の講義で説明が進んでいきます。
まとめやイラストなどがあり
英文法に対して苦手意識がある人にも
取り組みやすい印象の本です。
毎回の講義パートのあとにCHECK問題がついています。
解説は丁寧です。
章の最後のページには「総まとめ」があり
章の内容が簡潔にまとめられています。
また
巻末の「巻末資料」には
”3単現のsのつけ方”や”副詞の入る位置”などが
整理されて載っています。
索引もあります。
難しめの複雑な英文法、
たとえば
応用的な比較表現や強調構文などは扱っていません。
つまり高校英文法を網羅しているわけではないということです。
その理由は
この本の目標とするところが
ざっくり基本を総復習して
英文法基本を全体的に身につけるということだからです。
より深い英文法理解や
英文法の入試問題に対応する解答能力を身につけるには
本書で基本英文法の全体像を把握してから
次のステップに進む必要があります。
問題数
各講終わりに5問ずつその講についてのCHECK問題があります。
0講のみ20問あるので
全145問です。
問題数としては多くありません。
あくまで
各講の内容を理解できているのかという
「確認」としての問題があるだけです。
レベル
本書は
中学レベルの英文法~高校初級英文法のレベルです。
高校生であれば「英文法入門レベル」といったところです。
単語が難しくないので
中学の英文法学習が終わった中学生でも学習できます。
中学英文法が完了し修得できた中学生が学習すると
結構面白がって取り組みます。
目から鱗的な解説ではありませんが
全体的に丁寧です。
要点を効率よくつかむには良いバランスです。
使うべき人
本格的な英文解釈の学習を始める前の準備をする人
読むための英文法を本格的に学ぶ前に
中学英文法を含めて基本を
ざざっと総復習したい人は
この本によって
その目的を果たすことができます。
この本の内容が
完全に修得できていない場合
その後の学習の伸びは期待できないでしょう。
それほど基本であり
絶対に必要な知識が載っています。
英語の苦手な人は
もちろんですが
英語を得意と考えている高校生や高卒生でも
学習することによって
知識が抜けていることが
思いもかけず判明することがあります。
得意な人は
短期間で完了させることができる参考書ですから
やってみて
自分の知識を確認しておくべきじゃないでしょうか。
一方で
中学英文法のみを
しっかりと学びたい人は
こちらの方が良いと思います。
学習方法
これに”のみ”取り組めば
2日ぐらいで1周できます。
一般的には1講で30分程度かかります。
1日に2~3講ほど進めると
2週間で1周できます。
完璧に知識を定着させるまで繰り返します。
解説は深いわけではありませんが
「基本知識をざっと総復習」という点では
十分に丁寧な解説です。
サクサク進むと思います。
2,3周で
CHECK問題の解答は100%正解状態になるかもしれません。
ただ重要なことは
講義パートを含めた解説が身についているかということです。
「不定詞とはいったい何か?」
「分詞とは?」「関係代名詞と関係副詞の違いは?」
「形容詞とは?」
これらのことが淀みなく説明できるかが
より重要なことです。
この点を丁寧に仕上げるように
生徒にいうと
得意な生徒でも結構な時間がかかります。
他の科目との学習時間の兼ね合いもありますが
1ヵ月程度はみておくと良いと思います。
反復して
説明ができることが目標となります。
本書の学習が完了すれば
受験に向けた英文法の参考書に取り組むことが可能です。
こんな参考書を読んでも
「意味不明だよ~」なんてことにはならないでしょう!
到達レベル
高校初級英文法修得→本格的な英文法&英文解釈の学習に進める段階
「英文法」とタイトルにある本書ですが
高校レベルの英文法が網羅されているわけではありません。
この本の目的は
本格的な英文法や英文解釈に入る前の「前段階基本知識確認」です。
たとえば次のような参考書学習の前段階ということです。
入試問題に出題されるような英文法問題の対策学習であったり
英文を読むための英文解釈の学習であったり
それらの学習は
いくら「カンタン」レベルと言っても
入試に向けた学習になります。
その「カンタン」レベルで扱わない前段階の知識がなければ
理解できない部分がたくさん出てきたり
ほとんどを丸暗記状態になってしまいます。
そうならないために
中学から高校初期の英文法の基本を確認しておくことは
本当に重要です。
この本だけでは
入試に太刀打ちできませんが
本書の知識が定着していなければ
受験勉強において暗雲立ち込めることは
誰が予想しても明らかです。
塾でも
「とにかく確認」ということで
できる生徒にも
本書を学習させています。
1度読んで
「全部知っている」ということもあれば
「案外、説明できない笑」ということもあります。
基本を確認し固めておくことは
本当に重要なことです。
学力の伸びを左右します。